キーワード:
甘味料/ゼロカロリー/糖質オフ/単糖/オリゴ糖/糖アルコール/多糖類/加工でん粉/食物繊維/増粘剤/食品ハイドロコロイド/食感/マスキング/介護食/分離・分析/血糖値調節作用/抗酸化/抗アレルギー作用/整腸作用/美容作用/特定保健用食品
刊行にあたって
「機能性糖質素材の開発と食品への応用」を、2005年8月にシーエムシー出版から刊行して、8年が経過した。食品への応用に限定して、機能性糖質素材を取り上げたところ、企業や大学のこの分野の研究者や技術者の方々に広く読んでいただけた。
この分野の進歩は目覚ましく、最新の情報をとりまとめるべく、「機能性糖質素材の開発と食品への応用II」として、本書を企画し、このたび上梓するに至ったものである。ご多忙のところ、監修者である私の求めに快く応じていただいた執筆者の先生方に感謝申し上げる。特に、今回は、前回にもまして、多くの企業の方々に執筆願った。食品開発における企業の現場や開発の前線における技術ニーズや技術動向が、ビビッドに理解できるはずである。他にもぜひ執筆していただきたかった糖質もあったし、同じ糖質について別の視座からの執筆をお願いしたかったものもあったが、紙数の関係で、含められなかった。次の機会を与えられれば、ぜひ盛り込みたいと思う。内容的には、食品の範疇を超える部分もあるが、広い意味で食品関連と理解して、含めさせていただいた。特に、今回は第4章として、糖質の分離・分析法に関する章を独立させた。食品関連性糖鎖のみならず、広く糖鎖の研究に有効に利用していただけるものと考えている。
大学人には、なかなか企業の研究動向を網羅的・系統的に把握することが困難なことが多い。企業の研究には、着眼点や研究の進め方において、目を見張らされることが多い。今回もそのような示唆に富む知見、刺激に満ちた新発見がたくさん盛り込まれている。読者の諸氏には、ぜひ、わが国の糖鎖研究の妙を堪能していただきたい。
今回集約できなかった分野に、高度高甘度甘味剤がある。糖の範疇に入れることができないペプチド性のものもあるので、本書での取り扱いが難しかったが、リセプター側の理解も含めて、しっかり吟味・整理すべき課題であろう。このレセプタータンパク質は,タンパク質性インヒビターで阻害されるアミラーゼなどと同様、糖鎖とペプチド鎖の両方を認識するように設計されている。われわれは、味らいの甘味レセプタータンパク質としてアミラーゼの活性部位が膜内に埋め込まれたモデルを提出した先人の素朴な識見に学ぶべきかもしれない。
私的なことを述べることをお許し願いたい。私は、かつて東ソー㈱生物工学研究所の研究員であった時分に、モノクローナル抗体を用いるガンの臨床診断システムの開発にも取り組んだ経験がある(1985~1990年)。いわゆるガン関連性糖鎖(糖鎖抗原)の開発に苦労した。例を挙げると、当時、シアリルルイスAすなわちCA19-9は、大腸ガンやすい臓ガンなどの細胞表面に、糖脂質あるいは糖タンパク質として特異的に発現しており、これらのガンのマーカー物質として利用できることが知られていた。われわれを含め、世界中の臨床診断試薬メーカーは、これに対する抗体を取得しようと努力していた。問題は、ネズミに感作して好い抗体産生ハイブリドーマを樹立するために、それなりの量の抗原が必要であり、さらに、診断用キットが確立されたあとも、検量線作成用に、かなりの量の抗原が必要なことであった。ガン関連性糖鎖抗原は、もともとは患者さんのガン組織から単離精製されて、そのガンマーカーとしての機能が同定されたものが多いが、この供給源をガン組織に求めることはできない。ひとつの方法は人工的合成(有機合成や酵素合成)であり、他の方法はヒトのガン細胞以外の供給源の探索とこれからの精製である。さらに、第3の方法は、ヒトのガン細胞の大量培養系の確立とこれからの精製である。
シアリルルイスAの酵素合成はいろいろ試みた。詳細は省くが、結局、うまくいかなかった。胎児が出生後、最初に出す大便のことを、胎便と呼ぶが,胎便中にシアリルルイスAが含まれるという報告を知り,この方法を試みた。胎児は、ガン胎児性というようにガンとしての性質を残しており、ガン胎児性抗原(carcinoembryonic antigen, CEA)のようなガンと胎児に共通に見出されるタンパク質を発現している。胎便は、地方によりカニババなどとも呼ばれるが、これは多分、やや緑味を帯びたカニ味噌の色調に由来するのであろう。胎便は、母親の胎内で胎児が成長する過程で、みずからの腸内に排出した老廃物や代謝物を含んでいる。「個体発生は系統発生を繰り返す」ことを思い返すと、胎便は生物進化の痕跡が封じ込められた小宇宙のように思える。糖鎖抗原に一部見られるように、生物は、異なった構成糖の組み合わせ(グルコース、ガラクトース、フコース、シアル酸などの混成した糖鎖)の生合成を、ワン・ポットで、速度論と平衡論による制御を使いこなして、順番を間違うことなく行っていることは驚異である。人知が遠くおよばぬ世界があることを知らされる。
本書が商品開発担当者や食品の機能性研究者など、食品研究に従事する方々に活用され、その研究開発の一助となることを願いたい。また、執筆をいただいた先生方のご研究開発の一層のご発展をお祈り申し上げる。
(2013年8月 井上國世)
本書は2013年に『機能性糖質素材の開発と食品への応用Ⅱ』として刊行されました。普及版の刊行にあたり、内容は当時のままであり、加筆・訂正などの手は加えておりませんので、ご了承ください。
著者一覧
井上國世 京都大学名誉教授 柴沼 清 桑原理栄 ㈱林原 中冨 毅 焼津水産化学工業㈱ 飯田哲郎 松谷化学工業㈱ 大隈一裕 松谷化学工業㈱ 藤本佳則 日本食品化工㈱ 三國克彦 塩水港精糖㈱ 米谷 俊 近畿大学 向井克之 ユニチカ㈱ 坪井 誠 一丸ファルコス㈱ 春見隆文 日本大学 河合博成 アークレイグループ 船見孝博 三栄源エフ・エフ・アイ㈱ 岡崎智一 松谷化学工業㈱ 吉元 寧 日本澱粉工業㈱ 小林 功 ㈱J-オイルミルズ 吉田拓史 キユーピー㈱ 西村和也 ㈱マルハニチロ食品 | 大本俊郎 三栄源エフ・エフ・アイ㈱ 内田幸信 ㈱林原 和田 正 フジ日本精糖㈱ 吉永恵子 理研ビタミン㈱ 松田英幸 松田バイオサイエンスラボ;島根大学名誉教授 清水寿夫 清水化学㈱ 吉田有希 京都大学 東 順一 大阪大学 本田与一 京都大学 伊藤誠治 東ソー㈱ 垣田浩孝 (独)産業技術総合研究所 大沼貴之 近畿大学 深溝 慶 近畿大学 北田善三 畿央大学 鈴木幸治 ジーエルサイエンス㈱ 畠山智充 長崎大学大学院 吉田幹彦 (一財)日本食品分析センター 福増潤二 (一財)日本食品分析センター |
執筆者の所属表記は、2013年当時のものを使用しております。
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1 L-アラビノースの機能性とその利用分野
1.1 はじめに
1.2 由来
1.3 L-アラビノースの生理学的性質
1.3.1 スクラーゼ阻害とその仕組み
1.3.2 血糖値上昇抑制作用
1.3.3 ショ糖の吸収抑制効果
1.3.4 セカンドミール効果
1.3.5 インスリン分泌刺激ホルモン(インクレチン)分泌への影響
1.3.6 腸内細菌叢への影響とその他の効果
1.4 L-アラビノースの安全性
1.5 L-アラビノースの味と利用分野
2 トレハロースの食品での機能と生理作用
2.1 はじめに
2.2 製造方法
2.3 基本物性
2.4 安全性評価
2.5 食品用途への応用例
2.5.1 水和特性
2.5.2 ガラス転移温度
2.5.3 氷結晶成長抑制作用
2.5.4 でん粉の老化抑制
2.5.5 タンパク質の変性抑制
2.5.6 脂質の変敗抑制
2.5.7 食感の保持と改良
2.5.8 風味の改善
2.6 生理機能と作用機序の最新知見
2.7 おわりに
3 N-アセチルグルコサミンの機能性と応用
3.1 はじめに
3.2 NAGの特性
3.3 製造加工技術
3.4 生理機能
3.4.1 代謝性
3.4.2 肌質改善効果
3.4.3 変形性関節症改善効果
3.4.4 脳機能改善効果
3.5 安全性
3.6 用途開発・実用の状況
3.7 展望
4 希少糖の開発と食品への応用
4.1 はじめに
4.2 開発が進む希少糖
4.3 甘味料の概況
4.4 希少糖含有シロップの製造
4.5 希少糖含有シロップの特性および用途開発
4.6 生理機能
4.7 展望
5 各種オリゴ糖の機能と飲食品への応用
5.1 はじめに
5.2 一般的な特性
5.3 味質に関わる機能と応用
5.4 物性に関わる機能と応用(物性面)
5.5 物性に関わる機能と応用(視覚面)
5.6 おわりに
6 サイクロデキストリンの製造法と利用開発
6.1 サイクロデキストリンの歴史的背景
6.2 CDの物理化学的特性
6.3 CD製造方法
6.4 CDの機能および食品への利用
6.5 CDの安全性
6.6 今後の展望
第2章 配糖体・糖誘導体
1 糖転移ヘスペリジンの機能性と食品への応用
1.1 はじめに
1.2 食品分野での応用(みかん缶詰やオレンジジュース中のヘスペリジンの結晶化防止,紅花由来の紅色色素の可溶化,食品の味質改善作用)
1.3 糖転移ヘスペリジンの分子間相互作用
1.4 糖転移ヘスペリジンの医薬品の生体吸収性改善への利用
1.5 まとめ
2 グルコシルセラミドの美容作用とその作用機序
2.1 はじめに
2.2 セラミドとは
2.3 植物性グルコシルセラミドについて
2.4 グルコシルセラミドの保湿作用について
2.5 グルコシルセラミドのバリア機能強化について
2.6 食事中に含まれるセラミドについて
2.7 表皮セラミド産生促進作用について
2.8 経皮摂取したセラミドの保湿作用について
2.9 おわりに
3 プロテオグリカン
3.1 はじめに
3.2 食経験と歴史
3.3 これまでの研究
3.4 関節に関連する作用
3.5 皮膚に関連する作用
3.6 おわりに
4 エリスリトールの発酵生産─その技術開発・利用と生物学的意義
4.1 はじめに
4.2 エリスリトール生産菌の分離と改良
4.2.1 エリスリトール生産菌の探索・分離
4.2.2 変異株の育成と性質
4.3 エリスリトールの特性
4.3.1 物理・化学的特性
4.3.2 生理機能的特性
4.4 エリスリトールの用途開発
4.4.1 食品への用途
4.4.2 医薬品用途
4.4.3 化学製品への利用
4.5 エリスリトールの生成機構と生理的意義
4.5.1 エリスリトールの生成経路と酵素系
4.5.2 適合溶質としてのグリセロールとエリスリトール
4.5.3 浸透圧ストレスとHOG経路
4.6 おわりに
5 糖化反応を抑制する混合ハーブエキスとフラボノイド配糖体
5.1 糖化反応(メイラード反応)とAGEs
5.2 糖化反応と疾患
5.3 混合ハーブエキス(AGハーブMIXTM)の糖化抑制作用
5.4 フラボノイド配糖体,カマメロサイドの作用
5.5 まとめ
第3章 多糖類
1 多糖類による食品テクスチャー改良の最新動向
1.1 はじめに
1.2 テクスチャー改良剤としての多糖類の有用性および高齢者食,シニア食への利用
1.2.1 多糖類の種類と起原
1.2.2 ゲル化能を有する多糖類によるテクスチャーの調節
1.2.3 ゲル化能を有する多糖類のテクスチャーマッピング
1.2.4 テクスチャー改良によるフレーバーリリースの調節
1.2.5 高齢者食における多糖類の利用
1.3 高齢者食におけるテクスチャーイノベーション
1.3.1 レトルト惣菜ゼリー
1.3.2 擬似果肉入りゼリー(常温流通のいわゆるドライゼリー)
1.4 結言
2 加工澱粉の機能と食品への利用
2.1 はじめに
2.2 アセチル化澱粉,エーテル化澱粉
2.3 架橋澱粉
2.4 オクテニルコハク酸デンプンナトリウム
2.5 酸化澱粉
2.6 アルファ化澱粉
2.7 特徴的な加工澱粉
2.7.1 エマルスターA1
2.7.2 グルメスター3
2.7.3 フードスターチSG
2.7.4 フードスターチMM-3
2.7.5 パインゴールドVE
2.7.6 パインソフトB
2.8 おわりに
3 新規さつまいも品種「こなみずき」でん粉の特徴と食品への応用
3.1 概要
3.2 製造方法
3.3 「こなみずき」でん粉の特徴
3.3.1 一般かんしょでん粉の特徴
3.4 食品への応用
3.4.1 和菓子類(わらび餅など)
3.4.2 豆腐類
3.4.3 水産練り製品
3.4.4 麺類
3.4.5 ベーカリー製品(パン)
3.4.6 その他
3.5 おわりに
4 レジスタントスターチの機能
4.1 レジスタントスターチとは
4.2 レジスタントスターチの種類
4.3 レジスタントスターチが豊富な食材
4.4 ハイアミロースコーンスターチ分解物の構造
4.5 レジスタントスターチの摂取量
4.6 レジスタントスターチの測定方法
4.7 レジスタントスターチの生理機能
4.7.1 血糖上昇抑制作用
4.7.2 腸内環境の改善
4.7.3 脂質代謝の改善
4.7.4 その他の機能
4.8 レジスタントスターチの食品への利用例
4.9 おわりに
5 機能性食品素材としてのヒアルロン酸とその生理機能
5.1 はじめに
5.2 生体内におけるヒアルロン酸の存在と機能
5.3 製造技術
5.3.1 鶏冠抽出法
5.3.2 発酵法
5.4 機能性食品素材としての生理機能
5.4.1 皮膚水分改善効果
5.4.2 膝関節痛改善効果
5.5 機能性食品素材としての作用機序
5.5.1 水分改善効果
5.5.2 膝改善効果
5.6 おわりに
6 食品用コンドロイチン硫酸とその機能性について
6.1 はじめに
6.2 コンドロイチン硫酸(ChS)とは
6.3 食品用ChSの機能性について
6.3.1 関節痛
6.3.2 美容
6.3.3 その他
6.4 今後の展望
7 キサンタンガムの特性と食品への応用
7.1 はじめに
7.2 キサンタンガムの構造
7.3 安全性
7.4 キサンタンガムの溶解方法
7.5 キサンタンガムの粘度・粘性
7.6 ガラクトマンナンとの反応性
7.7 粘性を利用した食品への応用
7.8 耐塩性を利用した食品への応用
7.9 低pH領域での粘度安定性
7.10 介護食への応用
7.11 おわりに
8 プルランの機能と食品への利用
8.1 はじめに
8.2 プルランとは
8.3 プルランの製造
8.4 プルランの基本物性
8.4.1 規格・表示
8.4.2 安全性
8.4.3 安定性
8.4.4 溶解性
8.4.5 消化性
8.4.6 発酵性
8.5 プルランの特性と食品への応用
8.5.1 付着性・粘性
8.5.2 接着性・固結性
8.5.3 被膜性・造膜性
8.5.4 食感改良
8.5.5 保水性・離水抑制
8.6 許認可状況
8.7 おわりに
9 スクロース由来の高純度イヌリンの機能と食品への利用
9.1 はじめに
9.2 イヌリンの生理機能
9.2.1 大腸機能における効果と腸内菌叢改善効果
9.2.2 炎症性大腸疾患の改善効果
9.2.3 ミネラル吸収促進効果
9.2.4 脂質代謝の改善効果
9.2.5 一過性の食後血糖値上昇抑制効果
9.3 スクロース由来のイヌリンの食品分野での利用
9.3.1 マスキング効果
9.3.2 脂肪代替効果
9.3.3 イヌリンクリームの低脂肪食品への利用例
9.4 おわりに
10 メカブフコイダンの機能性
10.1 フコイダンとは
10.2 メカブとは
10.3 メカブフコイダンの機能性
10.3.1 抗腫瘍効果
10.3.2 抗アレルギー作用
10.3.3 抗ウイルス作用
10.3.4 抗炎症作用
10.4 メカブフコイダンの安全性と食品分野への応用
10.5 おわりに
11 フコイダンの開発と応用
11.1 はじめに
11.1.1 フコイダンの発見と性質
11.1.2 フコイダンの構造
11.1.3 フコイダン利用の実態
11.2 フコイダンの優れた機能
11.2.1 腸内環境改善
11.2.2 軟骨再生
11.2.3 痛風改善
11.2.4 血液への影響(抗凝血作用,線溶賦活化作用)
11.2.5 抗腫瘍効果
11.2.6 制癌剤の副作用軽減効果
11.3 今後の展望
12 ペクチン
12.1 はじめに
12.2 ペクチンの基礎的性質
12.2.1 原料および製造法
12.2.2 分子特性
12.2.3 エステル化度およびアミド化度
12.2.4 ブロック化度
12.2.5 溶液のレオロジー特性
12.2.6 ゲル化機構
12.3 ペクチンの食品用途
12.3.1 酸性乳飲料(HMペクチン/安定剤)
12.3.2 ジャム類(HM・LMペクチン/ゲル化剤)
12.3.3 果汁飲料(HMペクチン/安定剤)
12.3.4 ミルクデザート(LMペクチン/ゲル化剤)
12.3.5 フルーツプレパレーション(LMペクチン/増粘・ゲル化剤)
12.3.6 コンフェクショナリー(HM・LMペクチン/ゲル化剤)
12.3.7 ベーカリー(サトウダイコン由来のペクチン/製パン性改良剤)
12.4 おわりに
13 グルコマンナン
13.1 グルコマンナンとは
13.2 グルコマンナンとこんにゃく精粉の違い
13.3 グルコマンナンの基本構造
13.4 グルコマンナンの生理機能
13.4.1 血清コレステロールの低下
13.4.2 血糖調節作用
13.4.3 便秘改善効果
13.4.4 体重減少効果(肥満の改善)
13.4.5 抗アレルギー作用
13.5 GMの応用について
13.5.1 デザート類
13.5.2 麺類
13.5.3 焼き菓子関係
13.5.4 不溶化(不膨潤)GM
14 トウモロコシ果皮由来アラビノキシランの機能性と食品への応用
14.1 はじめに
14.2 アラビノキシラン
14.3 トウモロコシ果皮からのアラビノキシランの抽出
14.3.1 尿素─NaOH系溶剤を用いたアラビノキシランの抽出とその物性
14.3.2 マイクロ波加熱によるコーンスターチ残渣からのアラビノキシランの抽出
14.4 トウモロコシ果皮アラビノキシランの水分吸着および乳化特性
14.4.1 アラビノキシランの水分吸着特性
14.4.2 アラビノキシランの乳化特性
14.5 おわりに
第4章 分離・分析
1 HPLCを用いた種々の糖分析メソッド
1.1 代表的な分離モードと検出器
1.2 親水性相互作用クロマトグラフィー(HILIC)
1.3 イオン交換クロマトグラフィー(IEC)
1.4 配位子交換クロマトグラフィー(LEC)
1.5 逆相クロマトグラフィー(RPC)
1.6 サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)
2 HPLCによる糖質分析
2.1 糖質試料別の分析方法
2.2 還元糖の可視化
2.3 順相HPLCでの単糖・二糖・オリゴ糖の一斉微量分析法の開発
2.4 食品・飲料中の単糖・二糖・オリゴ糖分析への応用
3 糖質とタンパク質の相互作用解析
3.1 はじめに
3.2 キチナーゼのNMRによる基質結合解析
3.3 キチナーゼとキチンオリゴ糖のITCによる相互作用解析
3.4 おわりに
4 誘導体化法を用いたHPLCによる食品中スクラロースの分析
4.1 はじめに
4.2 スクラロースの分析法
4.2.1 前処理法
4.2.2 測定法
4.3 誘導体化法を用いたHPLCによる食品中スクラロースの分析
4.3.1 透析処理後p-ニトロベンゾイルクロライド(PNBCl)を用いた誘導体化法
4.3.2 透析処理後塩化ベンゾイルを用いた誘導体化法
4.3.3 直接抽出後塩化ベンゾイルを用いた誘導体化法
4.4 まとめ
5 電気化学検出器を用いた簡便な高感度糖分析法
5.1 はじめに
5.2 本法の分離の原理
5.3 糖類の検出方法について
5.4 電極表面のクリーニングとパルス電位モードについて
5.5 スピンカラムを用いた血清サンプルのクリーンアップ
5.6 分析の注意点
6 レクチンによる糖鎖認識
6.1 はじめに
6.2 レクチンの種類
6.3 レクチンと糖との相互作用解析
6.4 レクチンの糖認識特異性の変換
7 栄養表示に係る難消化性糖質素材の分析の現状と課題
7.1 食物繊維分析の現状と課題
7.1.1 はじめに
7.1.2 酵素―重量法(Prosky法とその変法)
7.1.3 高速液体クロマトグラフ法(酵素―HPLC法)
7.1.4 最後に
7.2 難消化性オリゴ糖分析の現状と課題
7.2.1 はじめに
7.2.2 試験溶液の作製方法
7.2.3 検出器
7.2.4 標準液
7.2.5 計算方法
7.2.6 正確な定量を行うために(異なるHPLC条件での分析)
7.2.7 難消化性オリゴ糖
7.2.8 糖分析の課題
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