カテゴリ

  • 近日発売の新刊情報
  • CMCeBOOK

微粒子分散・凝集ハンドブック《普及版》

  • 残りわずか

Handbook of Particle Dispersion and Aggregation (Popular Edition)

2014年刊「微粒子分散・凝集ハンドブック」の普及版。
微粒子の分散・凝集技術について、基礎から工業、環境、先端ナノテクノロジーまで、各分野の詳細研究内容を徹底解説している。

※こちらの商品は弊社電子書籍専用販売サイト「CMCeBook」にてDL版商品を販売しております。 DL版のご注文はコチラ(別サイトに移動します)

商品コード:
B1354
監修:
川口春馬
発行日:
2021年5月10日
体裁:
B5判・271頁
ISBNコード:
978-4-7813-1504-1
価格(税込):
5,390
ポイント: 49 Pt
関連カテゴリ:
ファインケミカル
テクニカルライブラリシリーズ(普及版)
新材料・新素材 > 無機・金属材料
新材料・新素材 > 複合材料・ハイブリッド材料
新材料・新素材 > 微粒子・ナノマテリアル

Review

この商品に対するご感想をぜひお寄せください。

キーワード:

水系・非水系/レオロジー/凝集速度/計測/混合・分散装置/ビーズミル/フィラー/スラリー/シランカップリング/トナー/インクジェットインク/ゴム/セメント/ハードコート/排水処理/エアロゾル/マイクロバブル/化粧品/カーボン材料/セルロースナノファイバー

刊行にあたって

 機能性分子や機能物質の創出をめざすモノつくり屋は、目的のものを創製できたとき、それなりの達成感を持つものの、ゴールに着いたとは思わない。モノつくり屋にとってのゴールは、創出したモノの機能が実際役立てられるときである。モノが創り出されてから使える状態になるまでの間にはいくつもの関門がある。そのモノが “ナノ”であることに特徴を持つ場合や ナノサイズで機能を発揮するものである場合、それらを容易に、あるいは自在にナノレベルに分散させる技術が要求され、時には、従来の分散凝集技術を超えた技術開発が求められる。
 工業的に重要な微粒子は枚挙に暇がない。扱いやすさと画像の切れとを両立させるための適切な凝集状態をもつよう設計された色材粒子やトナー、汚水処理が終わったところで凝集を起こしてほしいポリマー、コンクリートのできばえを決めるセメントの配合、できるだけ単層に近い状態で皮膚の上に分散させたいUVカット微粒子、集合の状態によってアルツハイマー等に関わるタンパク粒子、社会問題化しているPM2.5の正体、機能を秘めたマイクロバブル、それぞれが分散-凝集の問題を抱えている。カーボンナノチューブやセルロースナノファイバーのようにDLVO理論だけでは説明できない事例もままある。それらを実際扱って分散・凝集が思うに任せなかったとき、対策を指示してくれる資料があるといい。それを意図して、本書を編んでハンドブックと名づけた。やや変則的なハンドブックではあるが、問題解決に役立てられることを期待する。

(「はじめに」より一部抜粋)

本書は2014年に『微粒子分散・凝集ハンドブック』として刊行されました。普及版の刊行にあたり、内容は当時のままであり、加筆・訂正などの手は加えておりませんので、ご了承ください。

著者一覧


芝田隼次   関西大学
大坪泰文   千葉大学
大島広行   東京理科大学
森 隆昌   法政大学
種谷真一   種谷技術士事務所
石井利博   アシザワ・ファインテック㈱
光石一太   倉敷ファッションセンター㈱
木俣光正   山形大学
山田保治   神奈川大学
前畑英雄   富士ゼロックス㈱
松村保雄   富士ゼロックス㈱
野口弘道   インクジェットコンサルタント
竹村泰彦   (公社)高分子学会;ゴム技術フォーラム;元JSR㈱;
       元(社)日本ゴム協会
坂井悦郎   東京工業大学
岩井和史   ㈱レニアス
渡辺 実   栗田工業㈱

三浦和彦   東京理科大学
小林大祐   東京理科大学
寺坂宏一   慶應義塾大学
野々村美宗  山形大学
那須昭夫   ㈱資生堂
白木賢太郎  筑波大学
岩下和輝   筑波大学
角田裕三   ㈲スミタ化学技術研究所
遠藤洋史   東京理科大学
河合武司   東京理科大学
倉島義博   日本ゼオン㈱
矢野浩之   京都大学
河崎雅行   日本製紙㈱
佐藤明弘   星光PMC㈱
伏見速雄   王子ホールディングス㈱

執筆者の所属表記は、2014年発行当時のものを使用しております。

目次 +   クリックで目次を表示

第1章 微粒子分散・凝集の工学
1 水系・非水系における分散・凝集制御
 1.1 ゼータ電位と粒子間相互作用
  1.1.1 粒子の荷電の原因
  1.1.2 ゼータ電位とは
  1.1.3 粒子間の距離と引力・反発力エネルギー
  1.1.4 ゼータ電位による凝集・分散の制御
 1.2 非水系での凝集・分散
  1.2.1 無極性非水溶媒中の凝集・分散
  1.2.2 極性のある非水溶媒中での凝集・分散
2 凝集分散系のレオロジー
 2.1 はじめに
 2.2 凝集分散系の基本的なレオロジー挙動
  2.2.1 擬塑性流動と降伏応力
  2.2.2 凝集分散系の動的粘弾性
 2.3 凝集分散系におけるチクソトロピー挙動
  2.3.1 粘度の時間依存性と履歴挙動
  2.3.2 チクソトロピー挙動の測定
 2.4 特異な粒子間相互作用の導入と分散系のレオロジーコントロール
  2.4.1 高分子と界面活性剤の併用によるレオロジーコントロール
  2.4.2 会合性高分子によるレオロジーコントロール
 2.5 おわりに
3 凝集速度の制御
 3.1 はじめに
 3.2 自由拡散による凝集速度
 3.3 粒子間の相互作用
 3.4 相互作用場における凝集速度と安定度比
 3.5 2次極小を考慮した凝集
 3.6 おわりに

第2章 分散・凝集技術
1 分散・凝集の計測と評価
 1.1 沈降による評価
 1.2 沈降静水圧による評価
 1.3 浸透圧による評価
 1.4 顕微鏡による直接観察
 1.5 分散・凝集評価において注意すべき点
  1.5.1 粒子径分布との対応
  1.5.2 粘度との対応
2 混合・分散装置
 2.1 分散系の流動分散の理論的背景
  2.1.1 変形と流動
  2.1.2 軌道理論による凝集粒子の分散
 2.2 普通撹拌機による分散
  2.2.1 回転翼の長さ
  2.2.2 粒子の浮遊限界撹拌速度式
 2.3 粒子-液系における物質移動
 2.4 高速撹拌機による分散
 2.5 コロイドミルによる分散
 2.6 メディア(媒体)式分散機
  2.6.1 メディア式分散機の形態
  2.6.2 運転方法
 2.7 超音波分散機
3 ビーズミルでの分散技術
 3.1 はじめに
 3.2 ビーズミルの分散原理
 3.3 ビーズミルの運転方法
 3.4 ビーズミルの分散効率に影響を与える因子
  3.4.1 ビーズ径
  3.4.2 ビーズ充填率およびアジテータ周速
 3.5 過分散とマイルド分散
  3.5.1 過分散
  3.5.2 マイルド分散
 3.6 ナノ粒子分散大量生産用ビーズミル
 3.7 おわりに
4 フィラー分散技術
 4.1 はじめに
 4.2 フィラーの表面処理技術
  4.2.1 シラン剤
  4.2.2 チタネート剤
  4.2.3 その他のカップリング剤
 4.3 フィラー形状が複合材料の特性に及ぼす影響
 4.4 フィラーの表面処理手法
  4.4.1 湿式加熱法
  4.4.2 湿式濾過法
  4.4.3 乾式撹拌法
  4.4.4 インテグレルブレンド法
  4.4.5 スプレードライ法
 4.5 フィラーと樹脂の混練分散技術
  4.5.1 樹脂とフィラーとの混練性
  4.5.2 ナノフィラーを取扱う際の留意点
5 スラリーの調製・分散技術
 5.1 はじめに
 5.2 付着力
 5.3 界面活性剤および水溶性高分子のスラリー分散効果
  5.3.1 マグネタイト粒子への吸着
  5.3.2 沈降試験
  5.3.3 分散スラリーの調製
 5.4 おわりに
6 シランカップリング剤の活用
 6.1 はじめに
 6.2 シランカップリング剤の構造と機能
  6.2.1 なぜ有機-無機材料界面の制御が必要か
  6.2.2 シランカップリング剤の構造
  6.2.3 シランカップリング剤の反応
  6.2.4 シランカップリング剤の作用機構
  6.2.5 シランカップリング剤の処理効果
 6.3 シランカップリング剤の使用・選択法
  6.3.1 シランカップリング剤の使用法
  6.3.2 シランカップリング剤の使用量
  6.3.3 シランカップリング剤の選択基準
 6.4 効果的なシランカップリング剤処理法
  6.4.1 無機材料表面に薄層(単分子層)を形成させる
  6.4.2 溶解度パラメーター(SP値)をそろえる
 6.5 おわりに

第3章 工業における分散・凝集
1 トナーの製造における分散制御技術
 1.1 はじめに
 1.2 電子写真法とトナー製法の変遷
 1.3 代表的なケミカルトナープロセスとその特徴
  1.3.1 懸濁重合法
  1.3.2 乳化重合凝集法
  1.3.3 溶解懸濁法
  1.3.4 エステル伸長重合法
 1.4 ケミカルトナーの画質特性
 1.5 おわりに
2 インクジェット(IJ)インクの分散と凝集の制御
 2.1 インク機能の3要素
 2.2 顔料分散
 2.3 インクの調製
 2.4 分散状態の測定
 2.5 容器内及び装置上の安定性
3 ゴム・エラストマーにおけるフィラー分散制御
 3.1 はじめに
 3.2 工業的に行われている一般的なゴムへのフィラー分散技術
 3.3 無機フィラーのゴム中へのナノ分散系
  3.3.1 CB,シリカのナノ分散系
  3.3.2 クレーのナノ分散系
  3.3.3 カーボンナノチューブ(CNT)のナノ分散系
 3.4 有機フィラーのゴム中へのナノ分散系
  3.4.1 ゴム中でのin situ有機フィラー合成
  3.4.2 セルロースナノファイバー(CNF)のナノ分散系
 3.5 おわりに
4 セメントの分散制御とコンクリートの流動性制御
 4.1 はじめに
 4.2 化学混和剤
 4.3 セメント系分散剤
 4.4 分散剤によるセメントの分散機構
 4.5 ポリカルボン酸系分散剤について
 4.6 セメント系材料の粉体設計
 4.7 おわりに
5 ハードコート材へのフィラー分散
 5.1 はじめに
 5.2 赤外線遮蔽ハードコートの設計コンセプト
 5.3 赤外線遮蔽機能付与プライマーコートの検討
  5.3.1 赤外線遮蔽機能付与プライマーコートの調製
  5.3.2 赤外線遮蔽効果の最適化
  5.3.3 塗料の保管における注意点
 5.4 赤外線遮蔽ハードコートの性能
 5.5 まとめ

第4章 環境と生活における分散・凝集
1 排水処理における凝集剤の利用法
 1.1 はじめに
 1.2 凝集処理の概要
 1.3 無機凝結剤の種類と特徴
 1.4 有機凝結剤の種類と特徴
 1.5 排水処理用高分子凝集剤の種類と特徴
 1.6 汚泥処理の概要と脱水用高分子凝集剤
 1.7 排水処理の効果的なシステム
2 大気エアロゾル(PM2.5)の生成プロセス
 2.1 大気エアロゾル
 2.2 エアロゾル粒子の大きさ(粒径)
 2.3 粒径分布
 2.4 生成プロセス(1)分散による生成
  2.4.1 地表面から発生するエアロゾル粒子(土壌粒子)
  2.4.2 海面から発生するエアロゾル粒子(海塩粒子)
 2.5 生成プロセス(2)気体の粒子化による生成
  2.5.1 単成分単相粒子生成
  2.5.2 多成分単相粒子生成
3 マイクロバブル群の超音波場における凝集と再分散
 3.1 マイクロバブル
 3.2 拡大視野下でのマイクロバブルの動的挙動の観察
  3.2.1 実験装置
  3.2.2 超音波照射がマイクロバブルの動的挙動におよぼす影響
 3.3 超音波場でのマイクロバブルの凝集・合一
 3.4 超音波によるマイクロバブルの急速脱泡
  3.4.1 実験装置
  3.4.2 超音波が脱泡速度におよぼす影響
 3.5 おわりに
4 粉体化粧料における微粒子の分散・成型
 4.1 はじめに
 4.2 粉体化粧料に配合される微粒子とその役割
 4.3 化粧料における微粒子の分散・成型技術
  4.3.1 表面処理
  4.3.2 界面活性剤の配合
  4.3.3 粉体成型
 4.4 おわりに
5 紫外線散乱剤の分散技術
 5.1 はじめに
 5.2 分散安定化の考え方
 5.3 紫外線散乱剤分散系の評価方法
  5.3.1 紫外線防御性に及ぼす分散状態の影響
  5.3.2 レオロジー解析の妥当性および必要性
  5.3.3 紫外線散乱剤サスペンションのレオロジー解析
  5.3.4 紫外線防御性とレオロジー特性との相関性
 5.4 おわりに
6 タンパク質の凝集:モデルと測定法
 6.1 はじめに
 6.2 タンパク質凝集のモデル
 6.3 昇温にともなうタンパク質凝集
 6.4 一定温度でのタンパク質の加熱凝集
 6.5 タンパク質凝集の測定法
 6.6 最後に

第5章 先端ナノテクノロジーにおける分散・凝集
1 カーボンナノチューブの液相および固相分散技術
 1.1 はじめに
 1.2 カーボンナノチューブの分散における留意点
  1.2.1 CNTの観点から
  1.2.2 マトリックス(分散媒)の観点から
  1.2.3 濡れ剤と分散剤の観点から
  1.2.4 分散機の観点から
  1.2.5 分散終点の判定
 1.3 カーボンナノチューブの分散事例
  1.3.1 水中での液相分散
  1.3.2 超臨界二酸化炭素を用いたポリカーボネート樹脂中でのCNT分散
  1.3.3 亜臨界水を用いた熱可塑性樹脂中でのCNT分散(湿式亜臨界解砕法)
  1.3.4 弾性混練法によるCNT/ゴムセルレーション複合材料
 1.4 おわりに
2 グラフェンの樹脂分散技術
 2.1 はじめに
 2.2 グラフェンの特性
  2.2.1 グラフェンの分子構造
  2.2.2 グラフェンとCNTの比較
 2.3 グラフェンおよび酸化グラフェンの製造
  2.3.1 グラフェンおよび酸化グラフェンの合成方法
  2.3.2 グラフェン類縁体の分類
 2.4 グラフェンおよび酸化グラフェンの分散制御
  2.4.1 両グラフェンの化学修飾
  2.4.2 両グラフェンとポリマーの複合•分散化
  2.4.3 ポリイオンコンプレックス形成を利用した酸化グラフェンの自在成形
 2.5 おわりに
3 リチウムイオン二次電池のバインダー分散技術
 3.1 はじめに
 3.2 負極用バインダー
  3.2.1 負極用バインダーの種類と特徴
  3.2.2 スラリー作製上の留意点
  3.2.3 乾燥工程上の留意点
 3.3 正極用バインダー
  3.3.1 正極用水系バインダー
  3.3.2 水系バインダーの分散性
  3.3.3 水系正極用バインダーを用いた電池の性能
 3.4 まとめ
4 セルロースナノファイバーの製造と分散技術
 4.1 はじめに
 4.2 セルロースナノファイバーの構造と物性
 4.3 セルロースナノファイバーおよびウィスカーの製造
 4.4 セルロースナノファイバーおよびウィスカーによるラテックス補強
 4.5 構造用セルロースナノファイバー強化材料
 4.6 透明ナノコンポジット
 4.7 セルロースナノファイバーの染色
 4.8 おわりに
5 TEMPO酸化セルロースナノファイバーの分散性について
 5.1 はじめに
 5.2 CSNFの製造方法とナノ分散化のメカニズム
  5.2.1 樹木の階層構造とセルロースミクロフィブリルのナノ分散
  5.2.2 CSNFの製造方法
 5.3 CSNFの水中における分散性
  5.3.1 分散状態の評価法
  5.3.2 カルボキシル基量の影響
  5.3.3 樹種による影響
  5.3.4 分散液中の塩濃度による影響
 5.4 CSNFの特長と分散剤としての利用
  5.4.1 CSNFの特長と主な用途
  5.4.2 CSNFの粘弾性特性
  5.4.3 CSNFの分散剤としての利用
 5.5 おわりに
6 変性・改質によるセルロースナノファイバーの分散・凝集状態の制御と熱可塑性樹脂との複合化
 6.1 はじめに
 6.2 CNFの変性・改質について
 6.3 静電相互作用を利用したCNFの変性・改質
 6.4 変性CNF強化樹脂
 6.5 おわりに
7 セルロースナノファイバーの製造と透明シート化技術
 7.1 はじめに
 7.2 CNF製造技術
  7.2.1 酸化処理
  7.2.2 エステル化
 7.3 CNFの透明シート化技術とその物性
  7.3.1 CNFの透明シート化技術
  7.3.2 CNF透明シートの物性
 7.4 CNF樹脂コンポジットの開発
 7.5 おわりに