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唾液による健康効果の最前線 ~技術と市場~

Up to Date in the Health Benefits of Saliva. Technology and Markets

★口腔内の洗浄性に大きく貢献する唾液水分!
★期待される唾液の成分による抗感染性!
★水だし緑茶による粘膜免疫機能発揮、フコダイン摂取による免疫グロブリンA産生、うま味によるドライマウス治療など最新の研究を網羅解説!

商品コード:
S0853
監修:
槻木恵一
発行日:
2021年9月27日
体裁:
B5判・202頁
ISBNコード:
978-4-7813-1617-8
価格(税込):
88,000
ポイント: 800 Pt
関連カテゴリ:
バイオテクノロジー > 先端医療(再生医療・細胞治療等)
食品 > 保健機能食品
食品 > 乳酸菌・腸内細菌

Review

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キーワード:

唾液腺健康医学/シアル酸/抗インフルエンザウイルス作用/乳酸菌/免疫活性化作用/細胞性免疫/液性免疫/緑茶の抽出温度/唾液IgA/高分子CUA/フコイダン摂取/健常人の唾液IgA 産生増強/「うま味」を用いたドライマウス治療/唾液腺産生生理活性物質の全身への影響/脳―唾液腺ネットワーク/難消化性糖類摂取による唾液IgA の増加/唾液腺のリン代謝における役割

刊行にあたって

 新型コロナウイルスの蔓延は,唾液検査の意義を国民に大きく認知させた。唾液は,重要な疾患の診断ができる事を知らしめたのだ。唾液中の成分は,血液由来の成分と唾液腺の細胞から産生された成分から構成される。唾液を検査に応用するには,そのどちらかの成分に注目する必要がある。しかし,唾液検査で社会実装された検査ツールは,まだそれほど多くない。一見簡単な様で,非常に難しい要素が多数あるからである。
 本書は,唾液の持つ健康効果に焦点を当て,その基礎的な研究背景と社会実装された商品のコンセプトを紹介している。唾液は汚いモノというイメージを覆す機能として,唾液中には細胞増殖因子や抗感染因子が多数存在することは注目に値するし,健康に極めて重要でもある。アナツバメの巣は,中華料理の高級食材であるが,ツバメの唾液であり,上皮成長因子の塊であることはあまり知られていない。昔,祖父に「ケガしたら,舐めとけ」と言われたこともあるが,必ずしも間違いでないのである。
 多くの人が,新型コロナウイルスの蔓延で,感染対策を日々徹底しなければならない日常となり,健康への関心はこれまで以上となっている。一方で,健康のために何をしたらいいのか選択に迷うことが多いのも実情である。その様な中でも腸活は,ブームとなり健康効果を得るための方略として定着しているが,多くの国民は次を求めている。次は何か。唾液の力(唾液力)の向上による健康増進は,重要な候補であり,国民の健康維持に有望な方略であると確信している。
 唾液力は,口腔の健康を遡及するし,口腔の健康は,全身の健康に繋がる。本書が,唾液の健康効果の定着に寄与し,国民の健康のための一助となり,さらに新たな製品の開発につながることを期待している。
最後に,本書の執筆者は,様々な分野でのエキスパートであり,最新の知見を提供していただいた。執筆者諸氏には,深く感謝申し上げる。
(「巻頭言」より抜粋)

著者一覧

槻木恵一   神奈川歯科大学;日本唾液ケア研究会
山本健吉   花王㈱
小林 香   花王㈱
生野千佳   花王㈱
森 卓也   花王㈱
横尾岳大   ㈱明治
狩野 宏   ㈱明治
物部真奈美  (国研)農業・食品産業技術総合研究機構
宮﨑義之   九州大学
笹野高嗣   医療法人明徳会;東北大学名誉教授
猿田樹理   神奈川歯科大学
山本裕子   神奈川歯科大学
田中久士   大塚製薬株式会社
小池 萌   徳島大学
佐々木すみれ 徳島大学
瀬川博子   徳島大学

目次 +   クリックで目次を表示

【技術編】
第1章 唾液のシアル酸の抗インフルエンザウイルス作用に着目した研究開発
1 はじめに
2 唾液の抗インフルエンザウイルス作用
 2.1 唾液の抗インフルエンザウイルス活性に関する先行研究
 2.2 唾液の抗インフルエンザウイルス活性の個人差とその規定因子
 2.3 唾液の抗IAV活性に対するタンパク質結合型シアル酸の寄与
 2.4 唾液の抗IAV活性と年代による変化
3 唾液の抗IAV活性を高める取り組み~炭酸刺激の効果~
4 おわりに

第2章 乳酸菌Lactobacillus delbrueckii ssp.bulgaricus OLL1073R-1の免疫活性化作用について
―細胞性免疫と液性免疫の両面から―
1 はじめに
2 1073R-1乳酸菌由来の多糖体について
3 1073R-1乳酸菌の免疫活性化作用-細胞性免疫-
4 1073R-1乳酸菌の免疫活性化作用-液性免疫-
5 1073R-1乳酸菌の免疫活性化作用の推定メカニズム
6 おわりに

第3章 緑茶の抽出温度と唾液IgAの関係
1 はじめに
2 緑茶葉から溶出する成分と水温との関係
3 緑茶成分と活性
 3.1 EGCとEGCG
 3.2 一本鎖RNA
 3.3 テアニンとカフェイン
4 水出し緑茶の飲用と唾液IgA

第4章 高分子CUAフコイダン摂取による健常人の唾液IgA産生増強
1 はじめに
2 粘膜免疫と分泌型IgAについて
3 フコイダンについて
4 健常人を対象としたフコイダン摂取試験
 4.1 フコイダン-アガリクスミックスの唾液sIgA産生促進作用
 4.2 フコイダン-アガリクスミックスの安全性
5 おわりに

第5章 世界が注目する「うま味」を用いたドライマウス治療
1 はじめに
2 ドライマウスとは何か
 2.1 ドライマウスの原因
 2.2 唾液はどこから?
 2.3 唾液のはたらき
 2.4 唾液分泌の中枢機構
 2.5 ドライマウスの症状
 2.6 新しい知見―ドライマウスは総唾液分泌量よりも小唾液腺分泌量と関連する―
3 ドライマウスを改善する新しいアイデア
 3.1 小唾液腺における味覚-唾液分泌反射
 3.2 うま味を用いたドライマウス治療
 3.3 うま味とは?
4 おわりに

第6章 唾液腺産生生理活性物質の全身への影響を解明する
―脳-唾液腺ネットワークの視点から―
1 唾液腺の存在意義
2 臓器間ネットワークとは
3 唾液腺と成長因子の関係
4 唾液腺産生物質から全身への移行
5 脳由来神経栄養因子(brain-derived neurotrophic factor(BDNF))の唾液腺での産生とその意義
 5.1 BDNFとは
 5.2 唾液腺BDNFの血中への影響
 5.3 唾液BDNFのターゲット臓器の探索
 5.4 BDNFと副腎との関連性
 5.5 脳-唾液腺ネットワークの発見
6 in vivoイメージングを用いた脳-唾液腺ネットワークの検証
7 唾液腺健康医学の創生に向けて

第7章 難消化性糖類摂取による唾液IgAの増加とそのメカニズム
1 はじめに
2 唾液腺
3 唾液
4 唾液中IgA
5 難消化性糖類とその機能
6 難消化性糖類摂取が唾液中IgAレベルに与える影響
7 まとめ

第8章 分泌型IgA(SIgA)産生を高めるLactiplantibacillus pentosus ONRICb0240(乳酸菌B240)
1 免疫機能について
 1.1 自然免疫について
 1.2 獲得免疫について
 1.3 粘膜免疫について
2 Lactiplantibacillus pentosus ONRICb0240(乳酸菌B240)について
 2.1 乳酸菌B240のIgA分泌促進作用
 2.2 乳酸菌B240がIgA分泌を促進するメカニズム
 2.3 乳酸菌B240摂取による風邪リスクの低下
 2.4 乳酸菌B240摂取によるスギ花粉曝露の影響
 2.5 乳酸菌B240摂取による唾液およびムチンの分泌増加作用
 2.6 乳酸菌B240のそのほかの作用

第9章 唾液腺のリン代謝における役割
1 生体に含まれるリン形態
2 生体におけるリンの役割
3 食事に含まれるリン
4 リン代謝調節機構とその破綻
5 リン酸トランスポーターファミリー
6 唾液中のリンの役割
7 唾液腺におけるリン酸輸送系
8 唾液腺におけるリン代謝調節機構の存在
9 さいごに

【市場編】
第1章 唾液の健康作用
1 唾液の機能
2 免疫
3 免疫グロブリン
4 唾液免疫グロブリンA(IgA)の産生

第2章 唾液免疫グロブリンA(IgA)を産生する食品成分
1 高分子CUAフコイダン
2 レンチナン(レンナチン)
3 パラミロン
4 イヌリン
5 ラクチュロース
6 グアーガム分解物
7 アカシアガム
8 レジスタントスターチ
9 イソマルトデキストリン
10 グルコン酸
11 ガムとIgA

第3章 免疫活性化作用を持つ乳酸菌
1 概要
2 主な動物由来乳酸菌/ビフィズス菌
 2.1 乳酸菌1073R-1株
 2.2 ガセリ菌SP株
 2.3 プラズマ乳酸菌
 2.4 乳酸菌シロタ株
 2.5 ビフィズス菌BB536
 2.6 LP432乳酸菌
 2.7 EC-12乳酸菌
 2.8 シールド乳酸菌M-1
 2.9 ビフィズス菌BE80菌
3 発酵食品由来の植物由来乳酸菌
 3.1 K-1乳酸菌/K-2乳酸菌
 3.2 植物ナノ型乳酸菌SNK
 3.3 HK L-137乳酸菌
 3.4 ラブレ菌
 3.5 ラクトバチルス・プランタラムSN13T/SN35N株
 3.6 HSK201乳酸菌
 3.7 植物由来乳酸菌B240
 3.8 乳酸菌K-15株

第4章 ポリフェノールの免疫活性化作用
1 概要
2 茶カテキン
3 テアニン
4 紅茶ポリフェノール
5 カリン
6 プテロスチルベン
7 カフェイン
8 アントシアニン
9 ルチン
10 カカオポリフェノール
11 フェルラ酸
12 大豆イソフラボン
13 クルクミン

第5章 ドライマウス予防(うまみ成分の機能)
1 ドライマウス
2 食品に含まれるうまみ成分
 2.1 グルタミン酸
 2.2 イノシン酸
 2.3 グアニル酸
 2.4 コハク酸

第6章 リン脂質の役割
1 リン脂質
2 レシチン
 2.1 卵黄脂質(卵黄レシチン)
 2.2 大豆脂質(大豆レシチン)

第7章 唾液関連酵素/タンパク質
1 唾液消化作用酵素
 1.1 アミラーゼ
 1.2 リパーゼ
2 唾液抗菌作用酵素/タンパク質
 2.1 リゾチーム
 2.2 ラクトフェリン
 2.3 ヒスタチン
 2.4 ベルオキシターゼ

第8章 口腔ケア用品の市場
1 オーラルケア市場の動向
2 口腔ケア用品
 2.1 歯みがき
3 義歯安定剤/義歯洗浄剤
4 洗口剤(洗口液)
5 口腔保湿剤/口中清涼剤
6 ホワイトニング関連製品
 6.1 ホワイトニングの概要
 6.2 ホワイトニング関連材

第9章 口腔ケア食品
1 概要
2 オーラルガム
 2.1 ロッテ
 2.2 オーラルケア
 2.3 モンデリーズ・ジャパン
 2.4 江崎グリコ
3 口中清涼菓子
 3.1 雪印ビーンスターク
 3.2 アサヒグループ食品
 3.3 クラシエフーズ
 3.4 デリカフローラ/エムピーアイ
 3.5 サンスター
4 キャンディ
 4.1 アサヒグループ食品
 4.2 ロッテ
 4.3 モンデリーズ・ジャパン
5 のど飴
 5.1 浅田飴
 5.2 アサヒグループ食品
 5.3 龍角散
6 オーラルケアサプリメント
 6.1 わかもと製薬
 6.2 オーラルケア
 6.3 TORASOL製薬
 6.4 森永乳業
 6.5 DHC
7 バランス献立食品
 7.1 バランス献立の意義
 7.2 主要メーカーの動向

第10章 口腔ケア用具・機器
1 市場の概要
2 歯ブラシ
 2.1 ライオン
 2.2 サンスター
 2.3 花王
3 電動歯ブラシ
 3.1 パナソニック
 3.2 フィリップス
 3.3 P&G
 3.4 サンスター
 3.5 オムロンヘルスケア
 3.6 ライオン
4 歯間洗浄品(歯間ブラシ/デンタルフロス/口腔洗浄器)
 4.1 歯間ブラシ
 4.2 デンタルフロス
 4.3 口腔洗浄器
5 舌クリーナー
6 介護用口腔ウェットティッシュ
7 介護用口腔スポンジブラシ

第11章 医薬品・医薬部外品
1 う蝕と歯周病
2 歯槽膿漏治療剤
3 鎮咳去痰剤
 3.1 医薬品(処方薬)
 3.2 市販薬
4 外用歯痛剤
5 うがい薬
 5.1 ポビドンヨード
 5.2 アズレンスルホン酸ナトリウム
 5.3 塩化セチルピリジニウム(CPC)
6 殺菌塗布剤
7 口内炎治療薬
8 むし歯予防薬

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