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カーボンナノチューブの研究開発と応用

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Research, Development, and Applications of Carbon Nanotubes

★発見以来、実験的・理論的な研究により幅広い用途への展開が期待されるカーボンナノチューブ!
★合成・評価・機能と応用に関する近年の研究開発動向を一挙紹介!
★カーボンナノチューブの今後の展開をおさえる上で必読の一冊!

商品コード:
T1281
監修:
川崎晋司
発行日:
2025年2月28日予定
体裁:
B5判、199ページ
ISBNコード:
978-4-7813-1861-5
価格(税込):
60,500
会員価格(税込):
54,450
ポイント: 495 Pt
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キーワード:

CNT/ナノカーボン/ナノテクノロジー/合成法/成長/カイラリティ/複合材料/修飾/エネルギー/半導体/熱電変換/フレキシブルデバイス/センサー/導電性/電池/電極/分散/分離/成膜/吸着

刊行にあたって

 「カーボンナノチューブは夢と希望にあふれた材料だ」と書くと,陳腐な表現に思われるかもしれません。多くの物質に同様の表現が使われてきたからです。しかし,多くの場合,一つか二つの夢が語られ研究が時には爆発的に進むことがあっても,やがて熱狂は静まっていきます。
 カーボンナノチューブの発見は1991 年ですからすでに30 年以上が経過していますが,夢や希望に突き動かされたものがいまだに熱狂の中で研究を続けています。この間,同じ夢が語られ続けたわけでも,同じ人々が語り続けたわけでもありません。たくさんの新しい夢が誕生し,新しく夢を追いかける人が誕生し,夢や希望が進化し続けているのがカーボンナノチューブです。発見当初はナノチューブを手にできる人は限られていたこともあって,理論計算の研究が先行する形でナノチューブ研究が進みました。多くの材料研究では実験的に興味深い現象が見つかって,その原因を調べるために理論計算が行われてきたのとはとても対照的です。この理論研究により多くの夢が見つかりました。ナノチューブはグラフェンシートをどう巻き上げるかで金属にも半導体にもなりうるということも当初は俄かには信じがたいという方も多かったと思います。合成技術が進んで,多くの実験科学者が研究に参画するようになると次々と理論予測が実験的に確かめられていきました。
 本書はその魅力あふれるカーボンナノチューブの合成・評価・応用について,学術・産業界の著名な研究者の方に最新の研究・開発状況を解説していただきました。現時点の研究・開発動向を理解し,今後の展開を考えるために,本書は必読の一冊です。ぜひ手に取っていただければ幸いです。

本書「巻頭言」より

著者一覧

川崎晋司   名古屋工業大学 
丸山隆浩   名城大学 
小林慶裕   大阪大学 
古田 寛   高知工科大学  
小廣和哉   高知工科大学 
佐藤英樹   三重大学 
生野 孝   東京理科大学
吉田和紘   京都工芸繊維大学 
野々口斐之  京都工芸繊維大学 
小橋和文   (国研)産業技術総合研究所
西野雄大   大阪ガスケミカル㈱ 
鬼塚麻季   ニッタ㈱ 
小向拓治   ニッタ㈱ 
河﨑佳保   神戸大学 
堀家匠平   神戸大学
田中 朋   日本電気㈱  
佐野雅彦   日本電気㈱ 
弓削亮太   日本電気㈱ 
白木智丈   九州大学 
松田貴文   富士化学㈱ 
石﨑 学   山形大学  
栗原正人   山形大学 
石井陽祐   名古屋工業大学 
中村雅一   奈良先端科学技術大学院大学 
磯貝和生   東レ㈱ 
大久保貴広  岡山大学  
大矢剛嗣   横浜国立大学 
中田遼真   埼玉大学 
藤森厚裕   埼玉大学 
清水大介   楠本化成㈱

目次 +   クリックで目次を表示

第1章 カーボンナノチューブの作製/成長
1 種々のカーボンナノチューブ合成法の特徴と課題
 1.1 概論
 1.2 アーク放電法(Arc discharge)
 1.3 レーザ蒸発法(Laser ablation)
 1.4 化学気相成長(CVD)法
 1.5 液相合成法
 1.6 SiC表面分解法
 1.7 SWCNTの合成手法の比較と課題
2 非金属ナノ固体成長核からのカーボンナノチューブ合成
 2.1 はじめに
 2.2 ND成長核からの単層CNT成長
 2.3 成長駆動力の制御によるNDからのCNT形成の高効率化
 2.4 高温成長プロセスによるNDからの低欠陥CNT形成
3 カーボンナノチューブ構造体の作製とその応用
 3.1 はじめに
 3.2 高密度垂直配向CNT構造体の合成
 3.3 CNTフォレストフィルムの光学特性
 3.4 CNTフォレストパターン配線加工とメタマテリアル応用
 3.5 霜柱状CNTフォレストの光学特性とフィッシュネット型メタマテリアル
 3.6 ポリスチレンナノビーズリソグラフィーを利用したフィッシュネット型CNTフォレストメタマテリアルの大面積合成
 3.7 ヘアライクCNT-MARIMO結合体の合成と光学特性
 3.8 まとめ
4 気体放電を利用したカーボンナノチューブフィラメントの作製
 4.1 はじめに
 4.2 CNTで表面が覆われた電極を用いた気体放電
 4.3 気体放電により誘起されるCNTフィラメント形成現象
 4.4 ワイヤ電極を利用したCNTフィラメント形成量の増加
 4.5 CNTフィラメントによる撚糸形成
 4.6 気体放電により生成したCNTフィラメントの応用
5 プラスチックからカーボンナノチューブへの変換技術
 5.1 はじめに
 5.2 変換方法
 5.3 結果と考察
 5.4 まとめ

第2章 分離・分散と複合材料
1 糖鎖化学を利用したカーボンナノチューブの分散・分離技術
 1.1 はじめに
 1.2 カーボンナノチューブの分散について
  1.2.1 水中へのカーボンナノチューブ分散
  1.2.2 有機溶媒中へのカーボンナノチューブ分散
 1.3 カーボンナノチューブの構造選択的分散
  1.3.1 水系における半導体性カーボンナノチューブ分散法
  1.3.2 導電性高分子による半導体性カーボンナノチューブの選択的分散
  1.3.3 アルキルセルロースによる半導体性カーボンナノチューブの選択的分散
 1.4 おわりに
2 カーボンナノチューブの液中解繊と分散液の評価技術
 2.1 はじめに
 2.2 CNT複合セルロース繊維の研究開発の背景
 2.3 CNT複合セルロース繊維の原料および製造方法
 2.4 イオン液体分散液およびセルロース繊維に含まれるCNTバンドル構造体の評価
 2.5 CNT複合セルロース繊維の構造モデル
 2.6 おわりに
3 大阪ガスケミカルのカーボンナノチューブ造粒品およびコンパウンド
 3.1 はじめに
 3.2 カーボンナノチューブの課題
 3.3 カーボンナノチューブ造粒品
 3.4 カーボンナノチューブコンパウンド
 3.5 さいごに
4 複合材料における界面へのCNT適用
 4.1 はじめに
 4.2 高分子材料へのCNT複合化
 4.3 CFRPへのCNT複合化
 4.4 CNT分散液とCFへのコーティング
 4.5 NamdTMの特性とスポーツ用品
 4.6 NamdTM-CFRPの構造と物性
 4.7 産業分野向け材料としての適用

第3章 機能と応用
1 錯体化学の概念を駆使したカーボンナノチューブのp型ドーピング
 1.1 はじめに
 1.2 p型CNTにおける錯体化学
  1.2.1 錯体化学とドーピング
  1.2.2 HSAB則と化学硬度
 1.3 プロトン酸ドーピングによる安定化メカニズム解明
  1.3.1 プロトン酸のp型ドーピング効果
  1.3.2 プロトン酸ドーピングCNTの安定性
 1.4 イオン交換によるドープ状態安定化技術の開発
 1.5 おわりに
2 プラスチックフィルムへのナノチューブ配線技術
 2.1 はじめに
 2.2 配線プロセスおよび分析方法
 2.3 結果と考察
 2.4 まとめ
3 カーボンナノチューブを活用した赤外線センサ
 3.1 はじめに
 3.2 単層CNTの金属・半導体分離技術
 3.3 CNTネットワーク膜の電気特性・TCR評価
 3.4 CNT赤外線イメージセンサ素子作製
 3.5 CNT赤外線イメージセンサ素子の性能評価
 3.6 おわりに
4 カーボンナノチューブの化学修飾によるカラーセンター形成と新たな近赤外発光特性の発現
 4.1 単層カーボンナノチューブと近赤外発光機能
 4.2 SWCNTの発光機能向上を実現する化学修飾によるカラーセンター形成
 4.3 lf-SWCNTのカラーセンターを合成するための局所化学修飾技術
 4.4 lf-SWCNTカラーセンターの発光波長域の変調・拡張技術
 4.5 lf-SWCNTカラーセンターの先端光技術への応用
 4.6 おわりに
5 カーボンナノチューブ(CNT)の分散技術開発とフレキシブル電極への応用
 5.1 はじめに
 5.2 CNT分散技術の開発
 5.3 CNT導電膜の特性
 5.4 CNT電極のフレキシブルデバイスへの応用
 5.5 おわりに
6 プルシアンブルー類似体ナノ粒子と単層カーボンナノチューブを用いた新しい正極構造の構築
 6.1 はじめに
 6.2 イオン二次電池開発の課題
 6.3 プルシアンブルーおよびその類似体について
 6.4 革新的ナノ均一構造電極による亜鉛イオン二次電池設計指針
 6.5 亜鉛プルシアンブルー(ZnPBA)ナノ粒子を用いた電極作製法について
 6.6 RSW電極(ZnPBA-CNT)を用いた充放電特性について
 6.7 まとめ
7 単層カーボンナノチューブのヨウ素内包を利用した二次電池,太陽光水素生成
 7.1 はじめに
 7.2 分子内包SWCNT電極の利点
 7.3 ヨウ素内包SWCNT電極
 7.4 ヨウ素内包を利用する太陽光水素生成
 7.5 おわりに
8 分子接合によるカーボンナノチューブ紡績糸の低熱伝導率化と布状熱電変換素子
 8.1 はじめに
 8.2 熱電材料および素子に要求される性能
 8.3 低熱伝導率化のための材料設計
 8.4 布状熱電変換素子のための素子設計
 8.5 材料設計と素子設計の融合
 8.6 おわりに
9 半導体カーボンナノチューブを用いた塗布型半導体デバイスの開発
 9.1 はじめに
 9.2 高移動度半導体CNT複合体
 9.3 機能素子(トランジスタ)の形成
 9.4 N型トランジスタ
 9.5 半導体デバイスの動作実証
 9.6 おわりに
10 カーボンナノチューブとその細孔内に制約された水溶液との界面に形成される強酸性吸着層
 10.1 はじめに
 10.2 カーボンナノチューブに対するイオンの吸着
 10.3 カーボンナノチューブの円筒状細孔内で自発的に形成されるポリヨウ化物イオン
 10.4 カーボンナノチューブ細孔内で水が形成する強酸性吸着層の特徴と形成メカニズム
 10.5 おわりに
11 身近な材料とカーボンナノチューブを組み合わせた複合材料とその応用展開
 11.1 はじめに
 11.2 カーボンナノチューブ複合紙
 11.3 カーボンナノチューブ複合糸
 11.4 おわりに
12 有機修飾単層カーボンナノチューブ界面膜に対するバイオ分子の吸着固定化とその活性維持
 12.1 序論
  12.1.1 研究背景
  12.1.2 研究目的
 12.2 試料と実験方法
  12.2.1 試料
  12.2.2 SWCNTの表面処理方法
  12.2.3 水面上単分子膜挙動評価と,水平付着法による累積膜の作製
  12.2.4 キャラクタリゼーション
 12.3 結果と考察
  12.3.1 本項の概要
  12.3.2 FDP修飾SWCNTの水面上単分子層とバイオ分子間の親和的相互作用
  12.3.3 FDP-iAD-SWCNT単層膜へのトリプシンの吸着固定化の確認
  12.3.4 SWCNT吸着固定化トリプシンの高温環境下に於ける二次構造の保持に基づく活性と旋光性の維持
  12.3.5 本項の結論
 12.4 総括的結論
13 TUBALL™単層カーボンナノチューブの特徴と活用
 13.1 はじめに
 13.2 カーボンナノチューブ
 13.3 単層カーボンナノチューブTUBALL™
 13.4 単層カーボンナノチューブ分散体Lamfil®
 13.5 単層カーボンナノチューブTUBALL™の応用例
  13.5.1 電池
  13.5.2 塗料
  13.5.3 フィルムコート
  13.5.4 熱硬化樹脂(FRP)
  13.5.5 熱可塑性樹脂
  13.5.6 液状シリコーンゴム
 13.6 おわりに

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