キーワード:
多様性・発症メカニズム/主なアレルゲン/アレルゲンの検出・定量・アレルゲン性評価法/in vitro/ELISA法/臨床検査、細胞・動物による評価/ExiLE法/抗アレルギー食品・素材/アレルゲン低減化・除去技術と食品/穀類/牛乳/果汁/産業界での取組み
刊行にあたって
食物アレルギーとは食品が引き起こすアレルギー症状であり、免疫学的機序が関与するものである。アレルギーは、その存在は紀元前から知られていたが、主に先進国においてその存在が大きく注目され始めたのは生活環境の清浄化と相関していることが疫学的な研究から明らかにされてきてからである。この「衛生仮説」として知られる現象が、自然免疫の研究成果ともあいまって分子レベルでも概ね証明されてきている。このような背景から、特に先進国では(食物)アレルギーは増加しており、大きな社会問題となっている。
我が国においても、近年増加傾向を示しており、文部科学省の調査で小学生における食物アレルギーの有病率は2004年には2.8%であったが、2013年度には4.5%となっている。中学生でも同じく2.6%から4.7%へ、高校生でも同様に1.9%から4.0%となり、約10年でほぼ倍増している。
さらに、花粉症の蔓延によって引き起こされる新たな食物アレルギー(クラス2食物アレルギー)についてもこれまで十分知られておらず、新規な発症機序での食物アレルギーとして注目を集めている。実際にこのタイプの食物アレルギーが豆乳等による大豆の新規な食物アレルギーとして2013年12月に独立行政法人 国民生活センターより注意喚起が公表された。
このように、食物アレルギーに関連する最近の状況としては、症状や感作経路、原因アレルゲンなどの多様性の存在がクローズアップされてきたことが注目すべき点として挙げられる。一方で、アレルギーや免疫の分子機構の詳細な研究成果が進み、その予防や免疫療法等による治療の可能性についても日進月歩の成果が得られつつある。
本書は、食物アレルギーの多様性も含めた基礎と臨床、食物アレルゲン分子に関する情報、さらには評価系を含めた研究手法、そして、実際の予防改善を目指した食品素材の開発の実例、食品表示等によるリスク低減化の対応までを網羅したものとなっており、最前線の著名な先生方のご協力を賜りご執筆いただいた。最先端の食物アレルギーの情報を整理し、その対策を狙った研究開発を行う研究者や実務者にとって極めて有益な情報を網羅することができた。改めてご執筆いただいた著者の皆様に心よりお礼申し上げます。
(「はじめに」より抜粋)
著者一覧
森山達哉 近畿大学 穐山 浩 国立医薬品食品衛生研究所 今井孝成 昭和大学 浅海智之 相模原病院 柳田紀之 相模原病院 海老澤元宏 相模原病院 足立厚子 兵庫県立加古川医療センター 矢上晶子 藤田保健衛生大学 松永佳世子 藤田保健衛生大学 手島玲子 国立医薬品食品衛生研究所 伊藤節子 同志社女子大学 塩見一雄 東京海洋大学名誉教授 近藤康人 藤田保健衛生大学 高松伸枝 別府大学 森 雄司 藤田保健衛生大学 安達玲子 国立医薬品食品衛生研究所 原田 晋 はらだ皮膚科クリニック 澤上一美 プレシジョン・システム・サイエンス㈱ 村上明一 琉球大学 東 隆親 東京理科大学 岡﨑史子 京都女子大学(2015年4月より龍谷大学) 成田宏史 京都女子大学 北條江里 日本ハム㈱ 山川宏人 ㈱日清製粉グループ本社 沼田 聡 高知県立大学 橋田誠一 徳島文理大学 東畑有希 ㈱森永生科学研究所 境 雅寿 ㈱森永生科学研究所 木戸 博 徳島大学 品原和加子 徳島大学 高橋悦久 徳島大学 佐々木陽平 応用酵素医学研究所㈱ 鈴木宏一 応用酵素医学研究所㈱ 橘田和美 (独)農業・食品産業技術総合研究機構食品総合研究所 中山 哲 サーモフィッシャーサイエンティフィック ファディア㈱ 北村 薫 サーモフィッシャーサイエンティフィック ファディア㈱ 東浦匡仁 塩野義製薬㈱ 中村亮介 国立医薬品食品衛生研究所 | 立花宏文 九州大学 藤村由紀 九州大学 室田佳恵子 近畿大学 木本眞順美 岡山県立大学 片山 茂 信州大学 平野可奈 金城学院大学 松田 幹 名古屋大学 石川良子 国立成育医療研究センター研究所;昭和大学 松本健治 国立成育医療研究センター研究所 志田 寛 ㈱ヤクルト本社 下田博司 オリザ油化㈱ 山本(前田)万里 (独)農業・食品産業技術総合研究機構食品総合研究所 庄司俊彦 (独)農業・食品産業技術総合研究機構果樹研究所 稲熊隆博 帝塚山大学 菅原卓也 愛媛大学 佐々木智子 愛媛大学 近藤倫世 愛媛大学 小野瀬淳一 東京農業大学 菅谷紘一 東京農業大学 阿部尚樹 東京農業大学 園山 慶 北海道大学 藤原大介 キリン㈱ 菅原達也 京都大学 真鍋祐樹 京都大学 岩本 洋 森永乳業㈱ 渡辺 純 (独)農業・食品産業技術総合研究機構食品総合研究所 矢野裕之 (独)農業・食品産業技術総合研究機構食品総合研究所 高橋浩司 (独)農業・食品産業技術総合研究機構作物研究所 近藤徹弥 あいち産業科学技術総合センター 中村宗一郎 信州大学 和泉秀彦 名古屋学芸大学 山田千佳子 名古屋学芸大学 小川 正 (合)低アレルギー食品開発研究所 清末正晴 日清ペットフード㈱ 宮地邦明 イオン㈱ 小田川平 ㈱生活品質科学研究所 佐合徹也 ハウス食品グループ本社㈱ 太田裕見 サントリー食品インターナショナル㈱ |
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1 はじめに
2 食物アレルギーとは
3 食物アレルギーの臨床型による分類
4 食物アレルギー発症機構による分類
4.1 クラス1食物アレルギー
4.2 クラス2食物アレルギー
5 食品が関係する特殊なアレルギー
6 年齢別でみた食物アレルギー原因食品
〔第1編 食物アレルギーの多様性と発症メカニズム〕
第1章 即時型食物アレルギーとアナフィラキシー
1 定義・概念
2 即時型
2.1 病態
2.2 疫学・自然歴
2.3 症状
2.4 その他の病型
2.4.1 新生児乳児消化管アレルギー
2.4.2 食物アレルギーの関与する乳児アトピー性皮膚炎型
2.5 診断
2.5.1 問診
2.5.2 特異的IgE抗体検査
2.5.3 食物経口負荷試験
3 経口免疫療法(減感作療法)
第2章 食物依存性運動誘発アナフィラキシー
1 はじめに
2 有症率
3 原因抗原
4 臨床像
5 診断
6 鑑別診断
7 発症要因
8 管理
9 予後
第3章 口腔アレルギー症候群
1 口腔アレルギー症候群(OAS)とは
2 pollen-food allergy syndrome(以下PFAS)との混同について
3 OASとPFASの関係
4 OASの臨床症状
5 OASの診断手順
5.1 問診
5.2 血液検査
5.3 プリックテスト・スクラッチテストなどの皮膚テスト
6 OASの診断:どれに当てはまるか?
6.1 カバノキ科花粉症に伴う果物や野菜によるOAS:PFAS
6.2 ヨモギ・ブタクサ花粉症関連PFAS
6.3 豆乳によるOAS症例の特徴
6.4 ラテックス・フルーツ症候群(LFS)
7 OASの診断および治療
8 OASの展望
第4章 経腸管感作および交叉反応性に基づく食物アレルギー
1 経腸管感作による食物アレルギー
2 花粉やラテックス抗原による交叉反応性に基づく食物アレルギー
2.1 交叉反応性抗原の特徴
2.2 幅広い交叉反応性が誘発される理由
2.3 代表的な交叉反応性抗原
2.4 その他の交叉反応性抗原
3 おわりに
第5章 経皮感作が関与する食物アレルギー
1 はじめに
2 食物アレルギーの経皮感作と惹起のメカニズムについて
3 動物モデルを用いる食物タンパク質の経皮感作の事例について
4 ヒトにおける食物タンパク質の経皮感作の事例について
5 おわりに
〔第2編 主要なアレルゲン〕
第1章 卵,牛乳,小麦,そば,落花生
1 鶏卵
2 牛乳
3 小麦
4 そば
5 落花生
第2章 魚介類(特定原材料および特定原材料に準ずるもの)
1 はじめに
2 魚類のアレルゲン
3 甲殻類のアレルゲン
4 軟体動物のアレルゲン
5 魚卵のアレルゲン
第3章 果実(特定原材料に準ずるもの)アレルゲン―リンゴ,モモ,オレンジ,バナナ,キウイ―
1 はじめに
2 感作経路の違いによるアレルゲンの特性
3 交差反応に係るタンパク質群
3.1 生体防御タンパク質(pathogenesis-related protein:PR-P)
3.1.1 PR-10群
3.1.2 PR-5群:Thaumatin-like protein(TLP)
3.1.3 PR-14群:Lipid transfer proteins(LTP)
3.2 Profilin
3.3 Class 1 chitinase
3.4 イソフラボン還元酵素(isoflavone reductase)
4 現時点で交差反応の報告がないタンパク質群
4.1 モモアレルゲン
4.1.1 Gibberellin-regulated protein(Peamaclein)
4.2 オレンジアレルゲン
4.2.1 Germin-Like proteins
4.3 バナナアレルゲン
4.3.1 β-1,3-glucanase
4.4 キウイアレルゲン
4.4.1 アクチニジン
4.4.2 Kiwellin
4.4.3 その他のキウイアレルゲン
第4章 その他(特定原材料に準ずるもの)
1 大豆
2 種実類(ごま,くるみ,カシューナッツ)
3 肉類(牛肉,鶏肉,豚肉)
4 ゼラチン
5 やまいも
第5章 低分子化合物の食物アレルギーについて
1 はじめに
2 エリスリトールの食物アレルギー
3 コチニール色素のアレルギー
第6章 スパイス
1 はじめに
2 症例供覧
3 セリ科スパイスアレルギーとは?
4 本邦でのセリ科スパイスアレルギーの現状
5 おわりに
〔第3編 アレルゲンの検出・定量およびアレルゲン性評価法〕
第1章 in vitro評価系
1 食物アレルゲンのバイオインフォマティクス
1.1 はじめに
1.2 食物アレルギーの研究のために開発されたデータベースとバイオインフォマティクス手法を用いるタンパク質のアレルゲン性の予測について
1.3 低分子アレルゲンデータベースについて
1.4 食物アレルゲンと花粉アレルゲンの交差反応性について
1.5 おわりに
2 迅速・簡易自動測定システム
2.1 背景
2.2 迅速・簡易・安価な自動検査法の開発
2.2.1 多項目同時解析ツールBISTとは
2.2.2 BIST用抗体
2.3 全自動反応測定装置LuBEA
2.4 えび・かに識別用BISTを用いた特定原材料の測定
2.5 今後
3 ELISA法(一般)
3.1 はじめに
3.2 ELISAの種類
3.2.1 抗原固相化ELISA
3.2.2 抗原固相化競合ELISA
3.2.3 サンドイッチELISA
3.3 サンドイッチELISA
3.4 定量値の理解
3.4.1 検出限界と定量限界
3.4.2 絶対値ではない
3.4.3 影響因子
3.5 定量系の工夫
4 ELISA法(特定原材料検査キット)
4.1 食物アレルギー表示制度
4.2 アレルギー物質を含む食品の検査方法
4.3 ELISA法
4.4 複合抗原検出系と単一(精製)抗原検出系
4.5 抽出法・操作法
4.5.1 抽出操作
4.5.2 ELISA操作
4.5.3 データ解析
4.6 結果の判定
4.7 ELISA法の注意点
4.7.1 特異性
4.7.2 回収率
5 PCR法
5.1 はじめに
5.2 PCR検査を実施する上での留意点
5.3 アレルギー物質を含む食品の検査法の実際
5.3.1 小麦
5.3.2 そば
5.3.3 落花生
5.3.4 えび,かに
5.3.5 大豆
5.3.6 くるみ
5.3.7 キウイ
5.3.8 肉類
5.4 おわりに
6 食物アレルゲンおよび抗体の高感度ELISA法
6.1 はじめに
6.2 酵素免疫測定法(ELISA)
6.3 免疫複合体転移酵素免疫測定法
6.4 食物アレルゲンに対する免疫複合体転移酵素免疫測定法
6.5 抗食物アレルゲン抗体に対する免疫複合体転移酵素免疫測定法
6.6 おわりに
7 ウエスタンブロット法・イムノクロマト法の原理と特性
7.1 はじめに
7.2 ウエスタンブロット法
7.3 イムノクロマト法
7.4 測定法を組み合わせた工程管理
7.5 おわりに
8 抗体固定化蛋白チップによるアレルゲンの評価法―食品のみならず母乳などの生体材料や環境中のアレルゲン測定への応用―
8.1 はじめに
8.2 乳児アレルギー予防のための母乳と環境中のアレルゲン測定
8.3 抗体アレイによるアレルゲン定量
8.4 生体材料に含まれるアレルゲンの定量
8.5 おわりに
9 人工消化試験
9.1 はじめに
9.2 食物中のアレルゲンの性質について
9.3 タンパク質の消化性試験について
9.4 タンパク質の消化性試験とアレルギー患者血清との反応性試験の併用の例について
9.5 おわりに
10 遺伝子組換え食品のアレルゲン性評価法
10.1 はじめに
10.2 安全性評価における国際的議論から国際規格策定へ
10.3 わが国における組換え食品の安全性評価
10.3.1 組換えDNA技術応用食品の安全性評価指針
10.3.2 安全性審査の義務化
10.3.3 食品安全委員会による安全性評価
10.4 遺伝子組換え食品(種子植物)の安全性評価基準
第2章 臨床検査および細胞・動物による評価系
1 特異的IgE検査の現状と将来展望
1.1 はじめに
1.2 測定原理
1.2.1 固相
1.2.2 アレルゲンおよびアレルゲン試薬
1.2.3 抗ヒトIgE抗体(標識抗体)
1.2.4 IgE標準品
1.3 特異抗体測定の定量性
1.4 特異的IgE検査の臨床応用
1.5 コンポーネントマイクロアレイ
2 ヒスタミン遊離試験(アラポート®HRT)
2.1 はじめに
2.2 アラポート®HRTの測定原理
2.3 HRT検査の臨床的有用性
2.3.1 in vivoで起こるヒスタミン遊離反応をin vitroで再現する検査
2.3.2 診断的有用性
2.3.3 耐性獲得の推定における有用性
2.4 おわりに
3 EXiLE法
3.1 はじめに
3.2 培養マスト細胞株
3.3 EXiLE法
3.4 EXiLE法の基本プロトコル
3.4.1 RS-ATL8細胞の培養
3.4.2 感作
3.4.3 洗浄
3.4.4 刺激
3.4.5 発光の測定
3.5 EXiLE法の応用例
3.5.1 診断のための抗原特異的IgEの測定
3.5.2 抗原の物理化学的変化が抗原性に及ぼす影響の解析
3.5.3 無細胞タンパク質合成系を用いたアレルゲンのスクリーニング
3.5.4 IgEのaffinity成熟の解析
3.5.5 その他
3.6 おわりに
4 マスト細胞・好塩基球を用いた脱顆粒抑制試験
4.1 はじめに
4.2 脱顆粒抑制活性評価のための培養細胞
4.3 脱顆粒抑制成分の探索とその作用機構:茶成分を例として
4.4 おわりに
5 Caco-2細胞を用いたアレルゲンの吸収試験
5.1 はじめに
5.2 アレルゲンの腸管吸収経路
5.3 アレルゲンの吸収評価に用いられる培養細胞系
5.4 Caco-2細胞培養系を用いた報告事例
5.5 その他の培養系
6 培養細胞株を用いた抗原感作性の評価法
6.1 はじめに
6.2 THP-1の樹状細胞様への分化
6.3 各種I型アレルゲンに対するTDDCの抗原提示能
6.4 プロシアニジンの抗原提示抑制作用
6.5 おわりに
7 動物を使ったアレルゲン性の評価:アレルギー感作能と即時型症状誘発能
7.1 食物のアレルゲン性の定義
7.2 食物アレルギー感作能:経口投与による実験動物のアレルギー感作
7.3 食物アレルギー症状誘発能:アレルギー感作動物への経口投与による即時型アレルギー症状の誘発
7.4 実験動物(マウス,ラット)での研究結果のヒトへの外挿における課題
〔第4編 アレルギー対策食品・素材の開発〕
第1章 抗アレルギー食品・素材
1 乳酸菌(プロバイオティクス)
1.1 はじめに
1.2 プロバイオティクス,プレバイオティクス,シンバイオティクス
1.3 プロバイオティクスの腸管への働き
1.4 プロバイオティクスの腸管免疫での働き
1.5 プロバイオティクスとアレルギー疾患
1.6 プロバイオティクスのアレルギー疾患への効果
1.7 プロバイオティクスを利用したアレルギー疾患への効果の限界と今後
1.8 おわりに
2 Lactobacillus caseiシロタ株のアレルギー抑制効果
2.1 はじめに
2.2 アレルギー疾患制御へのプロバイオティクスの利用
2.3 L. caseiシロタ株のTh1/Th2バランスの制御を介するアレルギー抑制効果
2.4 L. caseiシロタ株のIL-12産生誘導効果
2.5 L. caseiシロタ株のIL-12非依存的な作用
2.6 花粉症患者に対する臨床試験
2.7 おわりに
3 シソ種子エキスおよびフキエキスの抗I型アレルギー作用
3.1 はじめに
3.2 シソ種子エキスおよびフキエキスのマスト細胞における脱顆粒抑制活性およびその活性成分
3.3 シソ種子エキスおよびフキエキスの花粉症に対する作用
3.4 おわりに
4 べにふうき緑茶
4.1 はじめに
4.2 「べにふうき」緑茶の機能性
4.2.1 抗アレルギー作用を持つメチル化カテキン類
4.2.2 「べにふうき」緑茶のヒト介入試験
4.2.3 低カフェイン「べにふうき」緑茶の製造法の検討
4.2.4 「べにふうき」緑茶を使用した製品開発
4.3 機能性給茶機の開発
4.4 おわりに
5 リンゴポリフェノール
5.1 はじめに
5.2 リンゴのポリフェノール
5.3 リンゴの抗アレルギー作用
5.3.1 Ⅰ型アレルギー抑制作用
5.3.2 食物アレルギー予防効果
5.4 果実アレルギー
5.5 最後に
6 トマトリコペン
6.1 トマトリコペンとは
6.2 トマトリコペンの免疫への作用
6.2.1 アレルギー症状に対して
6.2.2 リウマチに対して
6.3 まとめ
7 マンゴーの抗アレルギー効果
7.1 はじめに
7.2 マンゴーのIgE産生抑制効果
7.3 脱顆粒抑制効果
7.4 まとめ
8 キノコ(ツブイボタケ)
8.1 成分組成と構造
8.2 抗アレルギー試験
8.3 細胞内標的分子の探索
8.4 RNA干渉試験
8.5 今後の課題
9 オリゴ糖
9.1 はじめに
9.2 オリゴ糖とは
9.3 難消化性オリゴ糖のアレルギー抑制効果
9.4 動物モデルを用いた解析
9.5 おわりに
10 抗アレルギー作用を有するLactobacillus paracasei KW3110株
10.1 背景
10.2 衛生仮説について
10.3 アレルギーの発症機構について
10.4 L. paracasei KW3110株の選抜
10.5 アレルギーモデルマウスにおけるKW3110株経口投与の効果
10.6 アトピー性皮膚炎モデルマウスにおけるKW3110株の効果
10.7 KW3110株のヒトにおける効果の検証
10.8 KW3110の作用機構の解析
10.9 おわりに
11 β-カロテン強化摂取による食物アレルギー発症抑制について
11.1 はじめに
11.2 カロテノイドとビタミンA
11.3 β-カロテンの疫学的研究
11.4 レチノール代謝と経口免疫寛容
11.5 β-カロテン摂取とI型アレルギー
11.6 β-カロテン経口投与による慢性アレルギーの改善
12 海藻カロテノイド
12.1 はじめに
12.2 海藻カロテノイドについて
12.3 耳介浮腫モデルマウスを用いた評価
12.4 培養細胞モデルを用いた作用メカニズムの検討
12.5 おわりに
第2章 アレルゲン低減化・除去技術と食品
1 牛乳アレルギー用ミルク
1.1 小児の牛乳アレルギーと牛乳アレルギー用ミルクの必要性
1.2 育児用ミルクの低アレルゲン化の戦略
1.3 牛乳アレルギー用ミルクの特徴
1.3.1 加水分解乳
1.3.2 アミノ酸乳
1.3.3 大豆乳その他
1.3.4 アレルギー用ミルクに共通する栄養成分上の特徴
1.4 牛乳アレルギー用ミルクの法的な位置づけと規格基準
1.5 アレルギー用ミルクの課題と今後の方向性
2 小麦の低アレルゲン化
2.1 はじめに
2.2 小麦アレルゲンの同定
2.2.1 α-アミラーゼインヒビターと低分子量グルテニン
2.2.2 糖タンパク質糖鎖
2.2.3 マンノグルカン
2.3 低アレルゲン化小麦粉の開発とその臨床評価
2.4 低アレルゲン化小麦粉のアレルギー予防・治療効果の解析
2.4.1 低アレルゲン化小麦粉によるアレルゲンの腸管透過抑制
2.4.2 低アレルゲン化小麦粉による免疫寛容誘導
2.5 おわりに
3 蛋白質ジスルフィド構造に着目した低アレルゲン食品の開発研究
3.1 はじめに
3.2 ジスルフィド結合の切断によるアレルゲン蛋白質の低減化
3.3 ジスルフィド改変によるグルテンフリー米粉パンの開発
3.4 おわりに
4 成分育種によるアレルゲン低減化ダイズ品種の開発
4.1 はじめに
4.2 7Sグロブリンα,α′,βサブユニット
4.3 Gly m Bd 30K
4.4 Gly m Bd 28K
4.5 Kunitz型トリプシンインヒビター
4.6 クラス2型アレルゲン
5 シリカゲルを用いたキウイ果汁中のアレルゲンタンパク質の低減化
5.1 はじめに
5.2 キウイ果汁中のタンパク質
5.3 シリカゲルによるタンパク質除去
5.4 タンパク質除去に及ぼす接触条件の最適化
5.5 シリカゲル処理果汁の品質
5.6 おわりに
6 メイラード反応を利用した低アレルゲン化抗原の調製と経口免疫寛容への応用
6.1 はじめに
6.2 メイラード反応を利用した食品タンパク質への多糖鎖の導入と機能改変
6.3 メイラード型多糖修飾による低アレルゲン化抗原の調製
6.4 低アレルゲン化抗原の経口免疫寛容誘導効果
6.5 おわりに
7 低アレルゲン米
7.1 米アレルギー
7.2 米タンパク質とアレルゲン
7.3 14-16kDaアレルゲン
7.4 低アレルゲン米
7.5 米の低アレルゲン化
8 クラス2食物アレルギーリスクの変動と低減化
8.1 クラス2食物アレルギーの概略
8.2 クラス2食物アレルギーの実際:花粉症と関連する大豆アレルギーを例に
8.3 クラス2食物アレルギーのリスク変動要因と低減化
8.3.1 食品の形状と濃度
8.3.2 プロテオリシスや発酵
8.3.3 ゲル
8.3.4 加熱変性
8.3.5 高濃度の植物性タンパク質溶液
8.3.6 栽培方法や収穫後処理
9 低アレルゲン化大豆食品
9.1 はじめに
9.2 大豆および大豆食品の低アレルゲン化戦略
9.2.1 大豆アレルゲンの同定とターゲットの選択
9.2.2 アレルゲン性の評価
9.2.3 アレルゲン低減化品種のスクリーニングと創出
9.2.4 物理化学的手法による低減化
9.2.5 発酵食品の利用と酵素処理を応用した低減化法
9.2.6 その他の低アレルゲン化の試み
9.2.7 大豆油のアレルゲン性と低減化問題
9.2.8 大豆煮おけるクラス2アレルゲンとその挙動
9.3 おわりに
10 食物アレルギー対応ペットフード
10.1 はじめに
10.2 ヒトとペットの食物アレルギーの違い
10.2.1 原因食物
10.2.2 症状
10.2.3 メカニズム
10.3 食品とペットフードの違い
10.3.1 栄養素
10.3.2 嗜好性
10.4 食物アレルギー対応ペットフードの開発手法
10.4.1 新奇タンパク
10.4.2 加水分解タンパク
10.5 食物アレルギー対応ペットフードの開発事例
10.6 おわりに
〔第5編 産業界でのリスク低減化対策〕
第1章 流通業界での取組み(イオン㈱におけるリスク低減化への取組み)
1 はじめに
2 商品仕様:設計品質に対する取組み
3 製造と販売:製造品質に対する取組み
4 商品表示:使用品質に対する取組み
5 販売後の取組み
6 食物アレルギーによる事故未然防止に対する取組み
7 現状の課題
第2章 食品メーカー現場での取り組み
1 はじめに
2 お客様への情報提供について
3 アレルゲン情報の収集管理
4 製造現場での混入防止対策
5 新製品開発・改良時に留意したいこと
6 まとめ
第3章 食品表示
1 はじめに
2 アレルゲン物質を含む加工食品の表示を理解するために必要な知識
3 食品表示基準策定に伴うアレルギー表示に係るルールの改定
3.1 改定のポイント
3.1.1 個別表示,一括表示について
3.1.2 代替表記・特定加工食品について
3.1.3 「乳」の表示について
3.2 改定の理由と生じる問題点
3.2.1 個別表示,一括表示について
3.2.2 代替表記・特定加工食品について
3.2.3 「乳」の表示について
4 現行アレルギー表示の問題点
4.1 表示対象品目と範囲
4.2 義務表示,推奨表示が存在すること
5 患者の立場からのアレルギー表示
5.1 よりわかりやすい表示
6 最後に
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