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レオロジー/泡/エマルション/界面活性剤/高分子/コロイド/吸着/サスペンション/乳化剤/凝集/ぬれ/分散剤/コロイダルシリカ/PDMS/ゾル-ゲル法
刊行にあたって
泡、エマルション、サスペンションは、順に連続相の液体中に気体、液体、固体の分散相が溶解せず、微細になって安定に分散する状態の物質で、それらを総称して分散コロイドと呼ぶ。分散コロイドは、連続相と分散相の界面積の増分と界面張力の積の界面エネルギーが極めて大きくなるので熱力学的に不安定となる。この不安定さを軽減するめに連続相に分散安定剤を加えて、界面張力を下げたり、界面間の反発力を高めたりして、多くの分散コロイドが我々の身の回りに存在する。
分散コロイドは、化学、物理学、生物学、医学、数学、土壌学などの基礎的学問分野のみならず、実際的応用分野においても重要な研究対象になっている。その結果、分散コロイドの分散安定性については、長年の基礎・応用研究の積み重ねによりかなり理解できるようになった。一方、分散コロイドの動的な性質、たとえば変形によるコロイド粒子の状態変化とその力学的応答、すなわちレオロジー挙動については不明なところが多いが、近年の分散コロイドのレオロジー挙動とコロイド粒子の状態変化をその場観察できる装置の開発・展開によって、明らかになりつつある。
本書では、分散コロイドのレオロジー挙動の基礎と実用が理解・把握できるように、レオロジーの基礎、泡、エマルション、サスペンションの順に、それぞれのレオロジーの基礎とその事例が挙げてある。また、本書が分散コロイドに関わっている、あるいは今後関わる研究者・技術者に少しでも役立てば幸いである。
最後に、著者はレオロジーを独学で学び、浅学のために咀嚼できず、不十分な記述があろうかと思う。本書に対して忌憚の無いご意見を頂ければ大変有り難い。
川口正美
著者一覧
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1 レオロジーとは
1.1 応力
1.2 ひずみ
1.3 理想弾性体
1.4 理想粘性体
1.5 理想塑性体
1.6 粘弾性体
1.6.1 マクスウェル要素による応力緩和
1.6.2 フォークト要素によるクリープ
1.6.3 粘弾性固体と粘弾性液体
2 分散コロイドのレオロジーの特長
第2章 泡のレオロジー
1 泡とは
2 気泡のレオロジー
2.1 高分子水溶液中の気泡のレオロジー
3 泡沫のレオロジー
3.1 シェービングクリームのレオロジー
3.2 界面活性剤と高分子の混合水溶液から調製した泡沫のレオロジー
第3章 エマルションのレオロジー
1 エマルションとは
2 エマルションのレオロジー
2.1 SDS水溶液によるシリコーンオイルエマルションの調製とそのレオロジー
2.2 高分子水溶液によるO/W型エマルションの調製とそのレオロジー
2.2.1 ポリオキシエチレンアルキルエーテル水溶液によるエマルションの調製とそのレオロジー
2.2.2 HPMC水溶液によるエマルションの調製とそのレオロジー
2.2.3 PNIPAM水溶液によるエマルションの調製とそのレオロジー
2.3 液体に分散した固体粒子によるエマルションの調製とそのレオロジー
2.3.1 固体粒子を乳化剤に用いる効能は何か
2.3.2 シリカ粒子単独によるエマルションの調製とそのレオロジー
2.3.3 凝集体の構造を制御したコロイダルシリカ粒子によるエマルションの調製とそのレオロジー
2.3.4 界面活性剤の吸着した酸化チタン粒子によるエマルションの調製とそのレオロジー
2.3.5 高分子の吸着したシリカサスペンションによるエマルションの調製とそのレオロジー
第4章 サスペンションのレオロジー
1 サスペンションとは
2 サスペンションのレオロジー
2.1 低分子分散媒中のシリカサスペンションのレオロジー
2.1.1 水中のヒュームドシリカサスペンションのレオロジー
2.1.2 親水性フュームドシリカから調製されるコロイダルシリカサスペンションのレオロジー
2.1.3 ゾル-ゲル法で調製されるコロイダルシリカサスペンションのレオロジー
2.1.4 有機溶剤中のシリカサスペンションのレオロジー
2.2 高分子中のサスペンションのレオロジー
2.2.1 PDMS中のシリカサスペンションのレオロジー
2.2.2 PDMS中のカーボンブラックサスペンションのレオロジー
2.2.3 PDMS中の酸化チタンサスペンションのレオロジー
2.2.4 ポリグリコール中のシリカサスペンションのレオロジー
2.2.5 エポキシ樹脂中のシリカサスペンションのレオロジー
2.3 高分子溶液中のサスペンションのレオロジー
2.3.1 高分子水溶液中のサスペンションのレオロジー
2.3.2 非水溶性高分子溶液中のシリカサスペンションのレオロジー
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