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眠りの科学とスリープテック

Sleep Science and Sleep Tech

★日本人の8割が睡眠の悩みを抱えているという調査も!日本は睡眠後進国!
★Sleep(睡眠)+Technology(技術)スリープテックが大注目!
★睡眠障害の緩和・改善に向けた機能性食品について開発者が解説!

商品コード:
T1230
編集:
シーエムシー出版
発行日:
2023年3月24日
体裁:
B5判・215頁
ISBNコード:
978-4-7813-1727-4
価格(税込):
69,300
ポイント: 630 Pt
関連カテゴリ:
エレクトロニクス
バイオテクノロジー
バイオテクノロジー > 診断技術・バイオセンサ
エレクトロニクス > AI(人工知能)・ビッグデータ解析

Review

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キーワード:

睡眠/スリープテック/中枢性疲労/アレルギー/緑茶/γ―アミノ酪酸/グリセロホスホコリン/アデノシルメチオニン/ラクトバチルスガセリ/ヒプノカリス/GABA/睡眠と香り/睡眠時無呼吸症候群

刊行にあたって

 厚生労働省が2020年10月に発表した「国民健康・栄養調査の概要」によると,日本人の平均睡眠時間は6時間以上7時間未満が最も多く(男性34.5%、女性34,7%)、経済協力開発機構(OECD) 加盟国の中で最短,先進国の中でも有数の睡眠後進国という結果になった。

 米ランド研究所の調べによると,慢性的な睡眠不足は日本の労働生産性を押し下げているとされ,年間15兆円の経済損失を招いているとの試算もある。睡眠不足,睡眠障害は健康に悪影響を及ぼすだけでなく,居眠り運転、認知症・脳卒中などのリスクも増大させる深刻な問題である。

 そこで今,各方面からスリープテックが大注目されている。スリープテックとはSleep(睡眠)とTechnology(技術)を合わせた造語であり,センサーやアプリなどのIT・AIなどの技術を活用し,生体活動データを収集することにより,睡眠状態を分析したうえで,睡眠の改善を目指す装置,システム,サービスのことある。

 日本におけるスリープテックの市場規模は,2020年において1.2兆円とされている。潜在市場は3~5兆円,世界を視野に入れると2024年には10兆円に到達するとされている。今後さらに大きな成長が期待される分野である。

 本書では、眠りのメカニズム、最新のセンシング技術、睡眠障害緩和・改善に向けた機能性食品、そしてスリープテックの最新開発動向について専門家に解説いただいた。

2023年3月
(「刊行にあたって」より抜粋)

著者一覧

岡 靖哲   愛媛大学医学部附属病院
井上和生   京都大学
加藤憲忠   富士電機㈱
本間あや   北海道大学
榎本みのり   東京工科大学
堀江和正   筑波大学
野添健太   江戸川大学
福田一彦   江戸川大学
木暮貴政   パラマウントベッド㈱
椎野俊秀   パラマウントベッド㈱
浅岡章一   江戸川大学
海野けい子   静岡県立大学
外薗英樹   三和酒類㈱
藤井 力   福島大学
金井宗良   酒類総合研究所
西田憲生   徳島大学
澤田大輔   アサヒクオリティーアンドイノベーションズ㈱
澤邊昭義   近畿大学
竹田竜嗣   関西福祉科学大学
竹田翔伍   オリザ油化㈱
小森照久   三重大学名誉教授
村田雄介   福岡大学
岡部聡美   国立精神・神経医療研究センター
奥村成皓   ㈱マリ
瀧 宏文   ㈱マリ
遠山直也   ㈱リキッド・デザイン・システムズ
平野 明   小林製薬㈱
安川貴文   小林製薬㈱
清江龍一   小林製薬㈱
千葉伸太郎   愛仁会
小山恵美   京都工芸繊維大学
松本真希   京都工芸繊維大学
宮本浩二   TDK㈱
橋本和則   TDK㈱
笠岡 衛   TDK㈱

目次 +   クリックで目次を表示

【眠りのメカニズム編】
第1章 現代の睡眠事情
1 はじめに
2 COVID-19に伴う睡眠事情:With/Postコロナ時代の睡眠
 2.1 COVID-19による生活習慣の変化と睡眠問題
 2.2 Withコロナにおける診療事例
 2.3 成人の睡眠習慣への影響
 2.4 児童青年期の睡眠習慣への影響
 2.5 Withコロナが睡眠に影響する因子
 2.6 Postコロナ時代の睡眠
3 インターネット・ゲーム使用と睡眠事情
 3.1 インターネット・ゲーム使用の現状
 3.2 国際疾病分類におけるゲーム障害(Gaming Disorder)
 3.3 インターネット・ゲーム障害の頻度と影響
 3.4 児童青年期におけるインターネット・ゲーム使用
 3.5 インターネット・ゲーム使用に対する取り組みの現状
 3.6 インターネット・ゲーム障害と睡眠の今後
4 おわりに

第2章 中枢性疲労
1 中枢性疲労とは
2 中枢性疲労の発生機構
 2.1 ヒトでの疲労
 2.2 実験動物での疲労負荷
 2.3 実験動物での疲労度測定
 2.4 疲労に関わる脳内モジュレーター
3 疾病と中枢性疲労
4 疲労と睡眠

第3章 働き方改革と勤労者の睡眠
1 はじめに
2 日本人の労働時間と睡眠の現状
3 働き方改革関連法案の主な課題と睡眠衛生指導
 3.1 労働時間規制強化と医師の働き方改革
 3.2 産業保健機能の強化
 3.3 高度プロフェッショナル制度
 3.4 勤務間インターバル制度
 3.5 テレワーク(在宅勤務等)の推進
 3.6 副業・兼業の推進
4 おわりに

第4章 アレルギー疾患と睡眠
1 はじめに
2 アレルギー疾患の動向
3 アレルギー疾患に伴う睡眠障害の疫学
4 アレルギー疾患に伴う睡眠障害の病態
 4.1 体内時計とアレルギー症状
 4.2 サイトカインや炎症性メディエーターによる睡眠への影響
5 アレルギー疾患に伴う睡眠障害の治療法
6 おわりに

【眠りのセンシング編】
第5章 睡眠と眠気の評価技術
1 はじめに
2 睡眠の客観評価
 2.1 終夜睡眠ポリグラフ(polysomnography;PSG)
 2.2 アクチグラフなどのウェアラブルデバイス
3 眠気の客観評価
 3.1 反復睡眠潜時検査(multiple sleep latency test;MSLT)
 3.2 覚醒維持検査(maintenance of wakefulness test;MWT)
 3.3 MSLT以外の眠気の評価方法
4 睡眠や眠気に関する主観評価

第6章 深層学習による睡眠ステージ自動判定とその信頼性
1 はじめに
2 専門家による睡眠ステージ判定
3 深層学習による睡眠ステージ自動判定
4 判定理由の具体例と特徴波との一致率
5 睡眠ステージ自動判定の展望

第7章 電動ベッドによる体性/前庭刺激が覚醒後の眠気および主観的体験の記憶に及ぼす影響
1 はじめに
2 感覚刺激と睡眠
3 感覚刺激の主観的体験への取り込み
4 電動ベッドによる体性/前庭刺激が覚醒後の眠気および主観的体験の記憶に及ぼす影響について
 4.1 参加者および実験デザインについて
 4.2 眠気および主観的体験の聴取方法について
 4.3 実験手続き
 4.4 実験結果
5 結論

【食品成分素材開発編】
第8章 テアニンと緑茶
1 はじめに
2 テアニンによる睡眠改善の症例
3 カフェインによる睡眠への影響
4 低カフェイン緑茶による睡眠への影響
5 緑茶成分と睡眠との関係
6 テアニンの睡眠に対する作用機構
7 今後の展望

第9章 γ-アミノ酪酸(GABA)
1 はじめに
2 GABAの単回摂取による抗ストレス作用の検証
3 GABAの12週間連続摂取が健常成人に及ぼす影響
 3.1 方法
 3.2 結果
4 GABAの睡眠の質改善作用
 4.1 方法
 4.2 結果
5 おわりに

第10章 グリセロホスホコリン(GPC),S-アデノシルメチオニン(SAM)
1 はじめに
2 グリセロホスホコリン(GPC)と睡眠
3 S-アデノシルメチオニン(SAM)と睡眠
4 GPCやSAM,相互関連成分の補給食材としての酒粕
5 酵母におけるSAM高蓄積機構の解析
6 実用可能な新規SAM高蓄積酵母の育種技術開発
7 清酒酵母におけるSAM高蓄積機構の解析
8 おわりに

第11章 ラクトバチルス・ガセリCP2305株の疲労軽減効果
1 はじめに
2 ラクトバチルス・ガセリCP2305株の機能
 2.1 一般健常者を対象とした研究
 2.2 医学生解剖学実習ストレスモデル
 2.3 医師国家試験ストレスモデル
 2.4 過敏性腸症候群患者に対する効果
 2.5 脳腸相関を介した新しい機能
3 ラクトバチルス・ガセリCP2305株の疲労軽減に対する効果
 3.1 CP2305のストレス緩和効果
 3.2 CP2305の疲労軽減効果
 3.3 CP2305の成長ホルモン分泌促進効果
 3.4 腸内細菌への影響
 3.5 末梢血球遺伝子発現解析から見えてくるもの
 3.6 CP2305の作用起点とパフォーマンスへの影響
4 おわりに

第12章 クワンソウ由来ヒプノカリス®含有食品の睡眠改善効果
1 はじめに
2 ヒプノカリス®エキス
3 ヒプノカリス®エキスに含まれる成分の探索
4 睡眠改善効果(血管拡張作用)に関わるNO産生試験
5 OSA睡眠調査票による睡眠改善効果
6 睡眠脳波計による睡眠改善効果
7 おわりに

第13章 オリザギャバ®(米由来GABA)の精神ストレス改善効果
1 はじめに
2 GABAが動物モデルの脳機能に及ぼす影響
3 GABA含有食品の臨床試験
4 おわりに

【睡眠と香りの研究編】
第14章 不眠と香り
1 はじめに
2 香りの応用
3 バルビタール睡眠実験に基づく香料の作成と人での効果
4 不眠患者に対する臨床応用
5 バレリアン
6 レビュー
7 まとめと展望

第15章 睡眠不足による海馬のダメージと香りによる回復効果
1 はじめに
2 アロマセラピーと睡眠
3 睡眠不足が海馬にもたらすダメージ
4 アロマセラピーは睡眠不足による海馬への悪影響を回復できるか?
 4.1 部分断眠処置による海馬mRNA量の変化とラベンダー精油の吸入曝露
 4.2 短時間の断眠処置による認知機能低下とローズマリー精油の吸入曝露
5 おわりに

第16章 睡眠と夢と匂いの研究
1 睡眠と夢
2 夢研究の困難
3 匂い刺激提示を用いた夢研究とその問題点
4 匂い提示の夢への効果は匂い知覚の個人差に伴って異なるか
5 今後の展望

【スリープテック編】
第17章 非接触センシングによる睡眠時無呼吸症候群の診断・治療機器開発

第18章 体動センサでここまでできる睡眠解析
1 はじめに
2 睡眠ポリグラムと簡易型睡眠センサによる睡眠解析
3 保育園や介護施設で使われる体動センサとは?
4 体動センサによる睡眠の可視化
5 体動センサによる睡眠解析の精度と信頼性
6 呼吸周期の変動係数を利用した睡眠解析
7 睡眠ポリグラフ(PSG)と睡眠中呼吸周期の変動係数との類似性
8 スマートウォッチによる睡眠解析
9 各種センサによる睡眠解析の長所と短所
10 日常使える睡眠センサで睡眠負債を可視化
11 赤ちゃんの睡眠解析への挑戦

第19章 いびき音を検知するスマートフォンアプリの開発
1 はじめに
2 開発したスマートフォンアプリ
 2.1 いびきの検知方法
 2.2 検知するいびき音
 2.3 録音データ解析と表示
 2.4 測定精度の検証
3 ASBでのいびきの軽減または停止の検討
 3.1 ASBの製品構成
 3.2 眠りの自動運転
 3.3 システムの開発
 3.4 いびきの軽減効果の検討
4 まとめと今後の展望

第20章 マウステープが睡眠時の生理学に与える効果
1 はじめに
2 研究方法
 2.1 対象
 2.2 倫理的配慮および安全性
 2.3 試験期間中の制限
 2.4 被験品
 2.5 試験の中止
 2.6 解析方法
 2.7 評価項目および評価方法
3 結果
 3.1 睡眠の質
 3.2 乾燥評価
 3.3 いびき
4 考察
5 おわりに

第21章 光環境と睡眠
1 はじめに
2 光の非視覚的生理作用
3 光環境の物理的特性と生活適合性
4 光環境の現状と問題点
5 良質な睡眠確保に役立つ光環境制御技術
 5.1 全般的な考え方
 5.2 起床前の漸増光
 5.3 日中の補光
 5.4 就寝前の光環境
6 おわりに

第22章 医療・ヘルスケアの様々な用途に対応したウェアラブルセンサSilmeeTM W20
1 はじめに
2 リストバンド型活動量計SilmeeTM W20
3 ハードウェア
4 活動量・睡眠測定
5 脈拍測定
6 会話量測定
7 Silmeeヘルスケアアプリケーション
8 応用実例紹介
 8.1 医療・介護向け24時間モニタリングシステム
 8.2 バイタルデータの遠隔モニタリングシステム
 8.3 ウェアラブルデバイスを活用して心拍変動データから感情を可視化する「NEC感情分析ソリューション」
9 おわりに